[BlueSky: 227] Re:203 遺伝子組み替え食品について


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Sat, 31 Jul 1999 23:26:18 +0900

こんにちは、小宮です。
中澤さん、遅れましたが、BSTの資料の紹介ありがとうございました。

遺伝子組み換え食品の話ですが…

中澤さんwrote;
>遺伝子組み換え食品の問題点については,以前紹介したPSRASTという
>団体による10項目のまとめ(http://www.psrast.org/decl.htm#scifacts)
>があります。項目だけ列挙しておきますと(私訳),
>
>1) 遺伝子工学は基本的に育種と異なる。
>2) 今日の遺伝子工学は技術的に未熟である。
>3) 予期しない,新しい物質ができてしまうかもしれない。
>4) 完全に信頼できる安全性評価方法が存在しない。
>5) 安全性評価の現在のルールは,ひどく不適当である。
>6) 高度に発展した遺伝子組み換え食品は,人間にとっての重要性をもたない。
>7) 生態的影響についての知識がきわめて不完全である。
>8) 新しい,危険な可能性があるウイルスが出現するかもしれない。
>9) 遺伝物質,DNAについての知識は,きわめて限られている。
>10) 遺伝子組み換えが世界の飢えを減らす助けになるだろうという主張は,
> 科学的証拠によって支持されていない。

>食品としての遺伝子組み換え産物については,1)から3)がもっとも
>本質的問題で,これが99%解決されたような枯れた技術になったら
>従来の育種と同等に見ることができると思います。
>しかし,食卓にのぼる前には,自然環境中に存在するのですから,
>7)や8)の問題にも答えられないとまずいわけで,解決は難しいよう
>に思います。

僕は遺伝子組み替えに対して専門的知識があるわけではないので、
いちおう今まで安全性が確認されてきた、ということで、(1)-(5)
の食品の安全性に対しては、とりたてて際立った危険性は感じません
(これは個人によって違うと思いますが)。遺伝子レベルでなにか
起こるかもしれないという(7)-(9)に関しても、知識がないので
どの程度危険性があるかは分りません。ここら当たりは厚生省あたり
がしっかりとした調査、報告等をして欲しいと思います。

でも、(6),(10)は確かに危機感を感じます。今の遺伝子組み替え技術
は、結局のところ企業利益にしか結びついていないように思えます
(企業としては当然でしょうが)。除草剤耐性や害虫耐性等は大量生産
を行う企業にとってはメリットがあるでしょうが、それによって栄養
が向上するわけでもなく、かえって残留農薬等の問題が残ります。
ウシ成長ホルモンに関しても、結局はそれによって普通以上の飼料
(穀物)を消費しているわけですから、資源の有効活用をしているわけ
でもなく、ただ企業にメリットがあるだけです。結局はコストを
下げるため、利益をあげるための遺伝子組み替えしか行われていない
ように思えます。そして、このような企業の農業への介入は、農業
生産物の過当競争を招き、小規模な家族経営の農家をつぶしていく
でしょう。

この問題は210でも触れられてますね。

[210]中澤さん
>今朝の信濃毎日新聞によると,来日中のアーロン米商務長官が
>都内で講演して,日本政府が一部食品に遺伝子組み換え作物使
>用の表示義務化を検討していることについて日米貿易の障害に
>なる可能性を示唆したそうです。
>
>この新聞記事を読んで,今田さんの発言(上の引用)を思い出し
>ました。明らかに政府への圧力なのに,こういうのは内政干渉
>にはあたらないのか? と不思議に思います。米商務省という
>のは,明らかに米企業の利益を代表しているわけで,今田さん
>ご指摘の通りだなあと感じたわけです。

もし米企業の遺伝子組み替え作物の無表示化が決定すると、コスト
的に有利なアメリカ産の作物が出回り、日本の農家は大打撃をうける
でしょうね(うちの前のスーパーでも、北海道産の小豆は250g320円
だけど、アメリカ産は300g298円!まあ、これは遺伝子組み替え
ではないと思いますが…)。ますます日本は食料を輸入に頼る国に
なってしまう。

大量生産によって作られる作物は、どうしても安全性が懸念されると
思います。広大な面責に単一作物を植え付けるため、害虫、雑草駆除
のための農薬を飛行機で何度も散布する。残留農薬の危険性ももちろん、
表土流出や、生物多様性の破壊で、環境に与えるダメージも大きい
でしょう。やはり農業は、ウォール街で豪華なイスに座っている人達
ではなく、畑で自然と共に暮らしている人にやってもらいたいです。

それと、ちょっとこれに関連して、

[209]中澤さん
>ぼくは,個人的には「おいしさ=ごまかしのないもの>安全>値段」という
>優先順位ですが,何をおいしいと感じるかは生育環境によっても随分変わ
>るし,食べるときの環境によっても随分変わるので,優先順位が同じ人の
>間でも,どういうものを食べられると幸せかというのは一致しない筈で,
>それがまた問題を難しくしているのではないか,と思います。
>もちろん,人によって優先順位も違うと思いますし。

これは横レスになりますが、どの食品をどういう基準で選ぶのかは
個人の自由ですが、どのような食品であるかの明確な表示をして、
消費者にきちんと情報を伝えることだけはして欲しいと思います。
この豆は安い(でも、遺伝子組み替えされている)、このお弁当は
おいしい(でも、添加物を山のように使っている)。もし()内の情報が
なかったら、安くておいしい方を選ぶのは誰でも当たり前ですから
ね。そういう意味では、消費者側も、そのような情報にもっともっと
意識を持つようにすべきなのかもしれません。


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yuichiro komiya (小宮祐一郎)
e-mail:can32960@pop07.odn.ne.jp


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