[BlueSky: 2227] Re:2226 自然の価値


[From] "yuichiro komiya" [Date] Thu, 17 Aug 2000 23:10:18 +0900

須賀さん、佐川さん。小宮です。

須賀さん、詳細なご説明ありがとうございました。「人間にとっての
自然」という考え方の根底に人権思想があるとは考え付きません
でした。非常に勉強になりました。考えてみれば、自然保護という
のも個人の権利と対立するケースも多いですよね。ご説明の広い
意味を含んだ経済的価値のような、なんらかの尺度が必要なのか
もしれませんね。

佐川さん、ご説明ありがとうございました。持続可能な行動をとる、
という選択肢は考え付きませんでした。確かにおっしゃるとおり、
あの設問で自然の価値を論ずるのは無理がありますね。本当は
もう少しうまい設定をしてあるのですが、僕の説明が悪かったと
思います。

佐川さん;
> 生物多様性・非人間中心主義・自然の価値。どれもの大事な視点で、
> しっかり考えないといけないのですが、なかなか頭の中が整理できなく
> 思考停止状態。

確かに、環境問題を考える際は、さまざまな視点や対立する概念
が多くて、本当に難しいものだと最近思ってます。


ちなみに、先のメールのペリカンとバナナの出典を挙げておきます。

「環境倫理学のすすめ」(加藤尚武-丸善ライブラリー)

あの話で説明されていることは、種の破壊の可能性を含む自然利用
はどこまで許されるか?ということです。ここでは、自然利用の目的
には、次の段階、

(1)趣味や贅沢のための利用
(2)生活のための利用
(3)個人の生存のための利用
(4)人類の存続のための利用

があり、世界の世論は現在(1)を否定して、(2)から(3)の基準の
中間あたりを動いていると書かれています。そのため(1)に該当す
る毛皮のコートや象牙製品を買うことを断念する人も増えているとか。
欧米の自然保護思想は比較的基準の意識がはっきりしているが、
日本の場合はその基準がはっきりしていない場合が多いとありまし
た。このようなことも、開発問題などで対立するケースが多い原因か
と思います。


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