[BlueSky: 2222] Re:2221 害虫とレッドデータブック


[From] "SUKA, Takeshi" [Date] Wed, 16 Aug 2000 09:16:23 +0900

須賀です。

中澤さん、どうもありがとうございます。

中澤さん:
> 害虫にはハエ,蚊,ブヨなどの衛生害虫というのもいます。

そうですね。実は気になってました。

> が,マラリアでばたばたと労働者が死んでいく状況下ではそんなこと
> は考える余裕がなかったでしょう。

そうでしょうね。

須賀:
> > 「人間が意図的にこしらえたもの」と「自然界にもともとあるもの」
> > のどちらが人間にとって価値あるものか、という話になると、議論
> > はぜんぜんちがってくるはずです。

中澤さん:
> これも難しいのです。人間も自然の一部ですし,こしらえるのには
> 労力がかかっていますし,こしらえるという行為は脳の本来的な
> 自己実現ですし。(少なくとも)これらの点で自明ではありません。

そのとおりです。わたしがうえの文でいいたかったのは、人間と
他の生物の「命の重さを比較する」という話と、人工物と自然の
ものとを「人間の立場からみて比較する」という話は、話の性質
としてかなりちがう、ということでした。もちろん後者の問題の
に対するこたえも、個別の問題の性質や状況、そのひとの立場に
よって変わってくるでしょう。

そして、これは科学の問題というより社会の問題だといふうに
わたしはずっと以前から考えてきました。

> 人智と自然の間で場合によってふらふら揺れるのが人間の価値観
> ではないかと思います。つまり,価値観は可変であるというのが
> 本質的な問題点だと思います。

そうですね。まったくそのとおりだと思います。

生物多様性の多面的な価値というようなものについて論ずるとき、
そのような前提は自明のものとしてふくまれているというふうに
考えてはいけないのかな?

Takeshi SUKA
Nagano Nature Conservation Research Institute (NACRI)
E-mail: suka@nacri.pref.nagano.jp


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