[BlueSky: 217] 情報・社会・環境など


[From] Hiraki Hisashi [Date] Fri, 30 Jul 1999 22:07:19 +0900

平城@プラトー研究所です。
賛同者に名前を連ねていたのに、忙しさのあまりにROMとなっておりました。

この夏は、景気回復のため国の補正予算によって補助事業がバンバン発注され、
去年とは打って変わってとっても忙しい毎日を送っております。
(あーこの補助事業によって日本の環境破壊がまた進むことを思うと胸が痛むな
ー、なんちゃって。)
ようやく、ここ数日忙しさが「殺人」から「半殺し」程度になってきました。
最近考えていることなど、ちょっとキーボードをたたいてみました。

私は、建設コンサルタントの会社で環境影響評価(環境アセスメント)のための
自然環境調査やさまざまな公共事業のための自然環境調査を行っております。特
に専門は植物です。

フィールドにおける植物調査はシーズンが4月から10月ぐらいまでで、あとの
季節はフィールド調査がオフとなります。
シーズン当初の4月から5月ぐらいは、植物の同定(植物の種類を判定すること
です)能力が著しく落ちています。
これが、シーズンも盛りになる7月ぐらいからだんだんと調子が良くなってきま
す。
植物の同定は、植物の実物を見ながら自分の知識や記憶を検索し、種名などを記
憶の底から呼び戻すことを行っています。
シーズンが進むに連れて同定能力が向上するのは、経験となれによって記憶から
回答を導き出す時間を短縮しているのでしょう。
植物などはシーズンが進めば同定能力が向上するのだからまだ良いほうです。
哺乳類調査では本物を目撃できることは希に見る幸運であり、せっせと五感を働
かせてようやっとフィールドサインが見つけ出せる程度です。
マタギの人の偉さを実感します。
フィールドにおける経験の量が、フィールド調査において五感から入力された情
報によって下す判断の的確さを生み出すのだと思います。


さて、ここからが本論

一般に都市で生活する人間は、自然と接する時間や機会はかなり少ないことでし
ょう。
すなわち、自然から得られる情報の蓄積がとっても少ないと考えられます。
人間は自分の持っている情報や記憶をもとにさまざまな判断を行っていきます。

都市化していく社会の人間は、自然から豊富な情報を得ている人間と異なった判
断をしながら物事の決定をしていくことが多いのではないでしょうか。
そして、これらの判断によって形成される社会も、おのずと異なったものになっ
ていくことでしょう。

ただし、このことについて私は是非を考える気はしませんが。

平城 尚史
hiraki@plato.co.jp




▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。