[BlueSky: 2126] 危機管理


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 6 Jul 2000 10:46:43 +0900

こんにちは、葛貫です。

今日(7月6日)の朝日新聞http://www.asahi.com/home.html#top
「遺伝子操作後の複製DNA、病院の4割が密封せず廃棄 」
http://www.asahi.com/0706/news/national06002.html
という以下の記事がありました。

・・・・・前略・・・・・

がんや遺伝病の患者の細胞から採ったDNAをはじめ肝炎ウイルス、
結核菌など様々な病原体のDNAを扱っている。

 このうち、複製したDNAを、使用後に、密封式の特殊容器に封じ込
めて処分している施設は大学病院で6割、総合病院で半数にとどまっ
ていた。多くの施設は、検査・実験室で排水施設に流したり、分解や
不活性化せずに一般廃棄物として処理したりしていた。遺伝子操作
中に手袋を使用しない施設も多数あった。

保科講師によると、DNAをずさんに扱うと、研究者や処理業者らが
吸い込んだり、皮膚の傷口などから入ったりして細胞に取り込まれ、
発がん性などの悪影響を与える危険性が否定できないという。

 回答した半数以上の大学病院、4割の総合病院では、複製した
DNAが体内に入って自分のDNAと組み換えを起こしたり、自然界の
ウイルスが複製DNAを取り込んで変異体が出現したりすることを心配
していた。

 フランスのパスツール研究所では1989年、DNA操作をしていた7人
の研究者が特殊なリンパ肉腫にかかり、複製DNAが体内に入って発
がんを促したのではないかと疑われた。

 複製DNAの廃棄方法に関する法的規制は現在ないが、密封容器に
入れて焼却処分するのが最も安全とされる。

・・・・・後略・・・・・

え〜っ、今迄、垂れ流しだったんですか。
昨年の東海村の臨界事故といい、現場の人間が、自分達が扱っている
ものが、どのような問題を引き起こす可能性を持っているか、ということ
を考えないのだろうか、と思います。

先頃の低脂肪牛乳の食中毒では、生菌や毒素より先に、毒素産生遺
伝子が検出されていました。これは、PCR法によりDNAの方が容易に
検出されたからだと思われますし、従来から知られていた毒素産生菌が
検出されたので、まだ、マシでしたが、これからは、何が問題の遺伝子を
持っているかわからないという事態も起こり得るわけで、このような検査
が、最初の一歩に過ぎなくなるかもと思うと、ゾッとします。

今回、問題になっていたのは病院でしたが、研究施設、大丈夫なんで
しょうか。

細菌も、プラスミドも、ウイルスも肉眼で見えないものだけに、本当に、
気を付けてほしいな、と思います。
責任取りきれないこと = 責任取らなくていいこと ではない、です。

明日で、青空MLが立ち上げられてから、1年ですね。
いろいろな立場の人、それぞれが持っている想いのようなものを知る
ことができたのを、幸いに思います。
管理人さんをはじめ、皆様に感謝です。






▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。