[BlueSky: 2117] Re:2114 ウイルス進化論


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sun, 2 Jul 2000 23:59:44 +0900

こんにちは、葛貫です。

佐川さん【2114】
>『環境微生物学』 (大森俊雄・編著 * 昭晃堂) によれば、「1988年
>にエストニアで環境中に漏出したフェノールを処理するために、フェノール
>分解菌が河川に導入されたが、6年後の調査でフェノール分解菌から分解
>系遺伝子を受け取ったと考えられる微生物が多数検出された」そうです。

薬剤耐性もプラスミド経由で獲得されることがあるそうです。
学生の頃、同じ研究室の仲間が、難分解性物質の分解菌からプラスミド
を取って、分解能を持たない菌に移植する実験をしていたのを思い出し
ました。そんなに難しい操作ではなかったような・・・・・。

>で、↑同著によると、もともと、自然環境中には“遺伝子が遊離の形態”で
>大量に存在し、頻繁に形質転換が起こっている可能性がある。ということ
>です。

それに人為的に作られた「遊離の形態をとり得る遺伝子」が加わるだけ、
という考え方もできるのかもしれないですが、単なる「物」ではなく増殖、
変異し続け、それによって問題が起こったとしても、おそらく、異常は、
疫学的な調査によって見いだされ、原因を特定することは、甚だ困難。
オタオタしているうちに、対処の仕様がない状況になっちゃうんじゃない
かなと、心配です。

【2084】で書いていらした、
>「私たちができること」の中には、“すべきでないこと”も多く含まれて
>いるので、“すべきこと”と“できること”の落差をちゃんと考えないと
>トンでもないことになりかねないですね。
本当に、そうだと思います。



先程まで、ホタルを見に行っていました。
「8時から、動物奇想天外を見たい。」と、言った子もいたのですが、
「テレビで見るのと、本物と、どっちがいい? 」という夫の言葉で、
皆、ついてきました。
でも、田植えの済んだ田んぼから聞こえてくるカエルの声、川の
流れの音、草の匂い、吹いてくる柔らかい風の中で、暗闇の中、
ふゎ〜、ふゎ〜、と淡い緑色に光ながら飛ぶホタルを初めて見て、
歓声を上げていました。手に止まらせて、光の明るさに驚いたり、
光るのに熱くないのを実感したり・・・・。

帰ってきて、「どうだった?」ときいたら、「テレビで見て想像してい
たのとは違った。行ってみてよかった。」と、4人とも言っていました。

「幼虫はカワニナという貝を食べるんだ。カワニナが住めないところ
には、ホタルもいないんだ。」とか、「ルシフェリンという物質がルシ
フェラーゼという酵素で分解される時、光るんだ。」とか、解説付き
のテレビ番組を見て知っているのと、その場を体験して五感全部を
使ってホタルを知るのは、全く違う。

この子達は、源氏物語を習う時、源氏が袖に隠していたホタルを
放って、几帳越しに玉蔓の姿を見せた場面を、リアルに想い浮か
べられるかな、思いました。
風俗習慣、生活様式が、変わると、書き手が背景や小物を使って
描き出したかった質感が伝わらなくなってしまうのは、仕方がない
ことなのかもしれない。でも、もったいないな、と思いました。

では。



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