[BlueSky: 2076] Re:2067 実話:見ようとしなければ、けっして見えない環境


[From] "gengorou" [Date] Thu, 8 Jun 2000 20:59:40 +0900

青空MLの皆さん、佐藤さんこんばんは。
          横浜@ゲンゴロウです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

米国ミシガン州、佐藤さん:
>非常に重い、人に話すには苦しいであろう体験をお話し頂き、ありがとうござい
>ます。

私事の話でしたのでためらいがありましたので、このように言っていただけたこと、
今の私には、とてもありがたいです。お返事を、ほんとうにアリガトウございました。

この話を話すと、学校や児童相談所で当初言われた様に、「お父さん、お父さんが子
どもを苦しめてどうするのですか!」という言葉が返ってくるように感じ、今まで誰
にも話せませんでした。
今回書いて分かったのですが、まだ私の中に今も重たく沈んでいるようです。
この出来事以来、どうしてなのか、私は様々なことを考えるようになってしまいまし
た。このMLにも出したことがある「ゲンゴロウ通信」なるもの一つで、考える内容
は世の中のこと全てにとても批判的な内容で、それが頭を占めてしまうのです。
最近では少し、社会に対する批判が和らぎ、「人は多くのことに翻弄されている」と
感じ、「人の敵は人ではなく、人を取り巻く多くの現象では?」と感じています。
(幸いにも息子には、あの出来事の傷はまったくないようです。)

>あまりにも深刻な問題で、ゲンゴロウさんの思いの数パーセントしか私自身に
>は到底わからないでしょうが、それでも、何とかレスポンスしたくて、書いていま
>す。

ほんとうに、お返事をアリガトウございます。
へんな事を言いますが、私、癒されました。

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佐藤さん:
> ゲンゴロウさんが示唆されている教育問題は、個々の先生の資質とか適性とか、
>男女の比率とかの表面的なものではなく、日本の社会のあり方そのものの歪みや閉鎖
>性によって現出する、構造的なものであると私は読みとりました。

実は、私も、いろいろと考える中の一つに、そのように考えるものがあります。
一人一人の人間の問題ではない問題なのではないか?と。

>日本がファシズムに陥った性向は今でも温存されているように思います。

私もそう感じるようになっています。世界大戦後の日本は、全体主義を簡単に捨てたわ
けですが、多くの国民が見事に切り替えられた事自体に、日本人の変わったこの能力を
感じずにはいられません。全体に従う考えで戦争に突入し、平和思考も全体に従うこと
で突入しているのではと。。。
そしてその強い平和思考から、「平和を望んで何が悪い」となり、「平和を達成できな
い国(地域批判)」を生みだし、また争いの芽を育てないかと心配です。

>いや、むしろ、「会社人間」を培うことで強化されているのかもしれません。”人間
>は他の人や物事に責任が転嫁出来れば(人殺しでも・・)何でもやる”と少し齧った
>心理学の本か何かで読みましたが、組織至上主義者はこの落とし穴に嵌りやすいんで
>しょうね。

私、このところ「個人と集団の関係」に非常に興味があります。以前ここにも書いたの
ですが、人間は個々に自分の意識を感じて、「自分は」と考えていますが、もしかする
と、その意識自体が集団の意識を無意識に感じて作り上げられているのではないかと、
思ってしまいます。ここ(青空ML)でも教えていただいたことですが、アリやハチな
どの超生命体と人間は似ているように感じます。そして日本人は特にその傾向が強いよ
うに思います。組織人間が組織の中で起こした行動にたいして、個人として「どうして
そういうことをやったのか?」と、問われると、首をかしげるようです。。
一連の少年犯罪も「全体から見られること」を意識して、流行を追っているようですし。。
個人としてはできない「殺人」も「組織(仲間)が望んでいるのでは?」と考えると出
来るのが人間のような気がします。
深海には長さ40メートルにも連なる生物がいるとかで、その生物は連なると自分の
役割分担に関わる行為を始めるので、生物学者の間では、その生物を一つの生物と見る
か、生物集団とみるのかを決めかねているらしいという話もあるようです。人間は今、
もう次の進化生物への歩みを始めている気がしてなりません。

> 私は海外に住み始めて十数年にしかなりませんが、日本人の集団への帰属指向は
>強く気付かされます。帰属指向がよい方向に向けば企業の強さになり、集団としての
>まとまりの良さになるのでしょうが、悪い方に向けば個の圧殺や、怒濤のように一方
>向になだれ込むレミングになってしまう。中国人も、アメリカ人も、ヨーロッパ人に
>も、これほど組織に対して従順な人々はいないように思います。どうして、日本人は
>これほど集団に帰属したがるのでしょう?”仲間はずれ”を怖がるのでしょう?

これ、また私の妄想なのですが、日本は本当に資源のない国土に暮らしているからで
はないでしょうか。
我が家の生計を例に考えると、もし我が家の床下から燃える水がわき出したら、私は
働かなくてもそれを近所に売るだけで生活が出来ます。また、広い肥えた庭と温暖な
機構に恵まれていたら、庭にトウモロコシが出来るので、それを売って生計を立てら
れます。
日本には、わき出る油田もなく、広い国土もない、本当に人間が生きるのには厳しい
環境だったからではないでしょうか。。そして、海に囲まれている島で長い間、他の
血と交わることなく生きてきたことで、脳はそういう進化(変化)をとげたのではな
いでしょうか。
嫌な言い方をすると、少ない食卓に群がる餓鬼達が争い殺し合ってきた中で生き残っ
て来た人間だから、全体(集団、組織)を尊重するという脳を所有しているような気
がします。生きるための秩序が集団主義になったという皮肉な現象になったように思
えてなりません。それが富んだ状況にいても「作用」しているのではないでしょうか。

>かと言って、これから日本に帰って学校組織を変える運動を始める意欲を、私は持ち
>合わせていません。ああ!そうか!保護者の多くが、小学校6年生の保護者であるの
>は1年限りでしかなく、学校を変えるより、頬被りをして過ぎ去るのを待つのが当た
>り前なのかもしれない。事態はますます深刻化しますねぇこれじゃ。

佐藤さんのメールを読んで、どうしてここまで私の話を理解してくださるのかと、驚
き、泣きたくもなりましたが、この部分が一番驚きました。
今回の出来事で、私たちは他の保護者達の数人に意見を求めましたが、もうすぐ中学
だからね〜と、自分たちの子どものことだけを考えていました。実は、わたし自身も
逃れられないので行動に出たのですが、その時にも速く時間が過ぎるのを願っていま
した。息子自身も、「この時(今)を我慢していれば」と考えていたと思います。
おっしゃる通りに、人は時間の中を流れて行くので、1人の人生に小学校時代は一時
期ですが、小学校には、いつの時にも人間の子どもはいます。
私、そのことを考え、未来の子ども達のことまでも考えてしまい、「これで、このま
までいいのだろうか」と思ってしまいます。私は知ってしまった、知らない人に罪は
ないですが、知った私が何もしないのは大きな罪があるように思えて、もしかすると
それで、逃げられなくなってしまっているのかもしれません。

> とりとめのない話になりましたが、日本の様々な教育議論を聞くにつけ、自分の
>息子がこちらでお気楽な少年期を過ごしている事をうれしく思います。日本では、夕
>刻に市民公園で子供たちが遊んでいる姿をついぞ見なかった。なんか、変だよ日本の
>子供。ちなみに、デンマークでは7歳になるまで一切の教育をすることは禁止されて
>いるそうで、14歳になるまでいかなる試験も受けないそうです。子供は子供らしく
>遊べと言うことらしいです。

少ない資源の国にあり、生き抜かなければならないので、日本の中には厳しい競争が
あり、子ども達は、その準備を受け入れているのかもしれないと、、思ってしまいま
す。そう考えると、、なんか、やるせなさを感じるだけになってしまいます。
高度な文明を持たなければ、高度な教育を受けなければ、今も、やはり、日本人は
国際社会の中で生きて行けないのでしょうか。。。日本の運命なのでしょうか。

佐藤さん、ほんとうにお返事をありがとうございました。
全体に感じたのですが、部分的に反応して、いろいろ勝手なことを書いていることを
お許し下さい。

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  いっつも、あわてて書いているので
支離滅裂、乱文、お許しください。ゲンゴロウ。。。。.。
gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gengorou/
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