[BlueSky: 2064] 孤立化 無力化 透明化


[From] "Hiroyuki Sagawa" [Date] Wed, 7 Jun 2000 18:55:30 +0900

みなさん、ゲンゴロウさん、こんにちは、佐川です。

精神科医の中井久夫氏は、“イジメ”を3つのキーワードで
分析しています。

    孤立化

    無力化

    透明化

  『アリアドネからの糸』〈みすず書房〉“いじめの政治学”より


孤立化

“ターゲット”は、少し毛色が違う方がよい。
 *言葉が遅かったり、読書好きだったりする子は、狙われやすい。
 *狙われた時点で、その子は孤立してしまうかもしれません。

このとき助けようとした子に対して、『次はお前だぞ』と脅せば、その
子は、どうすることも出来なくなってしまうだろうし、その様子を見て
いたほかの子も、見て見ぬ振りをするしかなくなってしまう。

                               孤立化の完了


無力化

“ターゲット”は抵抗するし、逃げようとするだろう。
しかし、ここは学校なんだ。
“ターゲット”になっていることを知らない親は、その子を学校へと行けと
恫喝するだろうし、その子も親に心配かけたくないと思う優しい子だから
自分が“イジメ”られていることを明かさないだろう。

言葉による侮辱は常態化するだろうし、時には暴力を受けることもあるだ
ろう。でも“イジメ”る側は、常に多数だから、その子をずっと監視する事が
出来、実際そうしているのだから、“イジメ”の場から逃走することは、まず
不可能になってしまうだろう。ましてや、そこは『学校』なのだから。

                                無力化の完了

透明化

人間という生き物は、悲しい習性を持っている。
そのような状況が常態化すると、ある変化が訪れてくる。

こうなるのは、 『自分が悪いんだ』 『私の存在そのものがダメなんだ』

と思うようになってしまう。
  
そして、闘争する意志も、逃走する勇気も、生きる意志さえも失ってゆく。

                                 透明化の完

 
                  そして、何も見えなくなってしまう・・・・
・。




とにかく、生き延びることができて良かった
“透明”にならなくて、ほんとうに良かった


佐川でした。








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