[BlueSky: 2027] せせらぎプラント


[From] "Hiroyuki Sagawa" [Date] Fri, 2 Jun 2000 17:40:17 +0900

みなさん、こんにちは、佐川です。

建設省は、“せせらぎプラント”なる計画を発表しました〈新聞記事
によります〉。
#建設省のHPには、まだアップされていないようです。

現在運転中の流域下水道の上流部に、高度処理をする小規模
の下水処理場を建設し、今まで下流部で放流されていた処理水
“一部”を上・中流部で放流することにより、河川水の水量減少を
緩和するというものです。
#一部の自治体では、既に建設を検討しているとか。

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今、中西準子氏の「水の環境戦略」と「環境リスク論」を読んでい
るのですが、現在の下水道の“運用”システムには問題が多いこ
とを改めて再認識。

「水の環境戦略」では、下水道を、【1】人口密度のたかい都市中
心部を対象とする公共下水道、【2】都市中心部から離れた比較
的住宅が密集している集落下水道、【3】さらに、住宅密度が低い
地域で各家庭ごとの排水処理をする個人下水道〈合併浄化槽〉と、
3タイプにわけていて、1ヘクタールあたりの人口が40人以下の
地域では【3】の個人下水道が経済的だと指摘しています。

で、東北・北海道で11年度、12年度に供用開始した下水道の、
1ヘクタールあたりの処理人口を比較すると、ほとんどが40人
以下となっています。
#北海道では、20〜30人/hとなっています。
東北地方においては、全体的に人口密度が低く、また高低差の大
きい山間地域に多くの人が住んでいることを考えると、【3】の個人
下水道をメインで廃水処理を行うのが経済的ということになります。

で、“せせらぎプラント”に戻りますと、もともと河川の上流域では人
口密度も低く地形的な高低差が大きいために、【3】個人下水道で
廃水処理を行うのが経済的であり、処理水は近くの河川に戻され
るため、河川水量減少の緩和にはより有効と思われます。



佐川でした。


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