[BlueSky: 2018] Re:2017 Re : 2016 人格という厄介なフィクション


[From] "Hiroyuki Sagawa" [Date] Wed, 24 May 2000 21:29:57 +0900

みなさん、葛貫さん、こんにちは、佐川です。

[葛貫さんwrote:2017]
> 自分の思い込みの中で、「it なんて言うと、まるで物扱いじゃん!!」
> と、目くじら立てていました。背景を教えて戴き、そのような意図がなか
> ったことがわかりました。ありがとうございました。

私の思いつきなので、9割引ぐらいに考えてください。

[佐川wrote:2016]
> >そもそもかつての村落共同体的な社会においては、子供
> >をheやsheとして扱う事なんて無かったはずです。

[葛貫さんwrote:2017]
> はい。
> そのような扱いを受けて不満を感じる素地がなかったんでしょうか。
> 「自意識」というのはもともとあるものではなく、「自意識」という言葉を
> 知った後に、生じるものなのでしょうか。

東北地方の山間地域では、「エジコ」「エンシコ」と呼ばれる赤ん坊を入
れる籠が使われていました(戦後しばらくの間まで使われていた)。
農家では、専業主婦なんて存在せず共働きが当たり前ですから、子供
を産んですぐから野良仕事にかり出されるわけです。それで、野良仕事
をしている日中の間、その「エジコ」「エンシコ」に赤ん坊を毛布にくるんで
何時間も入れておくわけです(現在の我々の感覚では虐待のようにも感
じられますが)。

そういうことを考えると今時の子供たちは、まるで王子様かお姫様のよ
うに大事にされていると思うのですが。

そこから拡大解釈して、少年たちは、自分が「王子様のようにではなく
普通の人と同じ」く扱われることが「ムカツク」理由なのではないか、な
んて思ったりもします。

[葛貫さんwrote:2017]
> 彼らのうちに湧いてくる伝統的な“怒り”や“悲しみ”とは微妙に違う感情を
> 総括する「ムカツク」という言葉が、あちらこちらで言われるようになって、
> 安心してむかつける(?)ようになった、「ムカツク」という言葉が、むかつく
> 現象を助長しているようにも感じられます。

「ムカツク」や「キレル」という言葉自体は、昔からごく普通(今とほぼ同じ使
用法で)に使われていた言葉です。
もし、この言葉に違和感を感じているとしたら、それは今まで「子供・少年の
世界」に無関心であったか、あるいは、そういう世界とは無縁でいられる上
流階層の人ということになります。

[葛貫さんwrote:2017]
> 今、「学級崩壊」と呼ばれる状況に、名前がつけられなかったら、これほど
> 大きな問題になっただろうか、名前が付けられたことにより、「うん、これは
> 学級崩壊なんだ」と、安心して学級崩壊を起こせるようになったのでは、
> 「名前」をつけることにより、滞っていたエネルギーのはけ口が与えられるの
> ではないかと、思われます。

「学級崩壊」自体も昔からある現象です。20年近く前に私の後輩のクラス
が学級崩壊の状態になっていました(都会じゃなくて福島の山奥で!!)。
#↑上のケースでは、控えめな、新任で女性でしかも音楽の先生が、たま
#たま悪ガキの多いクラスの学級担任になってしまった。
#まぁ、クラスといっても1学年1クラスしかないのですが。

いや、別に葛貫さんにケチを付けているわけではありませんので(^^;)。

では、なぜ今「学級崩壊」なのか?
学校に対する「タブー」「幻想」が緩んできたからではないでしょうか?

佐川でした。


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