[BlueSky: 1977] Re:1975 少年犯罪


[From] 森本研吾 [Date] Mon, 15 May 2000 19:58:55 +0900

森本です

以前、環境論に後藤さんなどが居たころは
何回か発言してますが
ブルースカイとしては始めての発言となります。

時間がないので簡単にしますが
私はこういった問題は、現代が
技術文明で便利になったこととに関係が
あると思います。

一昔前なら、特別の金持ちとか
幸運な人とか、才能の持ち主にだけ
特別に出きるけど、普通の人には
現実には考えられない夢であったことが
今は次々と当たり前のようにできるように
なっています。
まぁ、海外旅行とか、自動車を持つとか
そういったことから始まって
今は、有名になって、マスコミに登場したり
時代の花形になったりすることも
さらには自分のクローンを作って、
不死の人生を手に入れることすら
ひょっとしたらという感じがあります。

しかし、昔「普通の人はこんな程度」と考えていたころの
感覚が人間の制御可能な本来的な
行動範囲で、今はそれが大きくなりすぎて
自分の欲望も含めて、制御しにくくなっているのでは
という気がします。

たとえば、普通数10cmの手を持って
自由に操れる人間が
5mの鉄のように強力な
手を持っているようなものです。
それは、非常にうまく行ってしかも
幸運に恵まれれば、とても有効に
活かせ、考えられないようなことが出来ます。
が、一方で、うまく操作できないと
そこらのものをぶち壊したり
振りまわしていると気持良いものだから
振りまわしすぎて
自分自身の体を壊したりしがちです。
で、確率から言うと、上手く行かない方が
圧倒的に多いが、上手く行ったほうが
華々しく取り上げられるので
実際以上に上手く行くような印象を持っている。

実際、天才科学者だろうが、ミュージシャンだろうが
なんにでもなれる可能性があるとなると
欲望が揺れ動いて、なかなか心を定められず
気がおかしくなると思います。

普通はそういうのは無縁の世界で
なんとなく、普通に手の届く範囲の
普通の生活(自分の衣食住や、身の回りの
人間関係、自然とのふれあいといったような
もの)しか視野に入らず
何かの偶然でそう言う機会を与えられたり
もって行かれた人のみが、海外旅行とか
有名になるとか、日常生活とは
かけ離れたこととが出来るか、
いろいろに頭の中を去来する非現実的な
夢でしかなく、それが、何か一つに
強く引かれたり、なんかのきっかけが
あったりということで、相当長期にわたって
自分の中で落ち着いたしっくりした
課題となって始めて現実のものと
なっていく、そういう世の中でないと
おかしくなると思います。

とにかく、今はなんでも出来そうな
気がすることが、こういった問題の原因では
という気がします。

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森本研吾
kengo@nire.go.jp
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