[BlueSky: 1968] Re:1965 栄養塩類と細菌叢


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 9 May 2000 15:43:20 +0900

こんにちは、葛貫です。

【1964】の訂正です。
> 前述の報告書では、海水の細菌粒子画分から抽出した16SrRNAをPCR法
> で増幅し、制限酵素で切断した断片を、アガロースゲル電気泳動にかけ、
> そのパターンから菌叢の比較を試みていました。

PCRで増幅したのは、16SrRNAではなく、16SrRNA遺伝子(16SrDNA)でした。

佐川さん:
> #小さい水槽がこれですから、琵琶湖でのプランクトン群集の動態なん
> #て、分からなくて当然のような気がします。

同じ研究グループの他の研究報告書を目にする機会があったのですが、
漁業被害をもたらす植物プランクトンによる赤潮を制御する技術を開発
するための基礎研究として、前記の調査がなされたようです。
赤潮藻類を選択的に殺す殺藻細菌や殺藻ウイルスというのがいて、それ
を微生物農薬として使おうとしているようです。
殺藻細菌の作用を阻害する細菌群もみつかっており、赤潮藻類、殺藻細
菌、殺藻阻害細菌、他の生物、それに気象、水質諸要因が絡み合ってい
る、恐ろしく込み入った題材を研究をしているグループがあるのだなと、
思いました。
#現在の生化学の技術を使えば、いろいろなことができる、できてしまう
#可能性もあるのだと、報告書を読みながら思いました。

でも、有害植物プランクトン種を微生物農薬により制御したところで、海域
に栄養塩が残存していることには変わりはなく、その時の条件に適合した
植物プランクトンが大量発生し、大量斃死し、腐敗する時に酸欠を招くとい
う事態が発生する可能性は依然として残るのでは、と思われます。
干潟域の保全等も含めて、「物」の除去を考えることが基本だと、思うので
すが・・・・。

> $花里氏の『ミジンコ』に書いてあったのですが、尾瀬沼にも魚を放流
> $しているそうですね。
> $何で尾瀬にまで放流するのかちょっと理解できないのですが・・・・。

尾瀬も、昨年は、自家用車による入山に対して、結構厳しい規制を課し
ていたようですが、今年は緩和されるとか。
20年近く前に行った時には、もう、東電小屋のあたりは、富栄養化が進
み、ヨシが広がり始めていました。今は、どうなっているのでしょう。

どのような意図で尾瀬沼に魚が放流されているのか、わかりませんが、
もともと尾瀬沼にいたものを種苗生産し、環境収容力や他の生物との関
係を考え合わせて放流して、成長を待って漁獲し、他の所へ出荷して消
費するのなら、尾瀬沼の富栄養化を遅らせることに貢献できるかもしれ
ませんね。

ではでは。



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