[BlueSky: 1967] Re:1935 人類愛


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Mon, 8 May 2000 21:04:52 +0900

鈴木さん、葛貫さん、返事が遅れて申し訳ありません。小宮です。
御意見ありがとうございます。

>キリスト教を信仰する国で、この事を実践できている所は果たしてあるのでしょ
>うか?
>過去の、そして今現在の国際情勢を見ても、他の国に対して強い力を示し得、
>なおかつキリスト教をベースにしている国々に、この教えがあるとは思えないの
>です
>が。まるで気に食わない相手(異教徒)は力でつぶしてしまえるとでも考えてい
>るかのようです。核を含む様々な兵器はそのために存在しているとも考えられま
>す。キリスト教を信仰する人々の中でさえ武力衝突があるのですから。

すみません。少し書き方がまずかったですけど、僕は別に世界平和の
ためにはキリスト教を信仰する必要がある、と思ったわけではなく、
その一番の概念、「全ての人を愛するように勤める」という考え方が
世界平和(というのも大げさでしたが、多文化の理解や争いごとの解決
など)に役立つのではと、思ったのです。その部分だけ、処世術的な
意味でとりあげただけで、キリスト教を支持しているわけではありま
せん。ただ、あれだけ広く信仰されて、昔から生き残っているという
ことは、なにかその基本的な概念に社会を維持するために有効なもの
が含まれているのではないか、キリスト教を信じている社会の方が、
そうでない社会よりも生き残るのに有利になるような特徴があるのでは
ないか、それが実践的な愛という概念ではないか、とも思わなくはあり
ません。
#そうではなくて、もっと別の所(選民思想とか)に有利な面がある
のかもしれませんが

まあ、キリスト教でなくとも、昔から人類皆お互い信じあい、尊敬しあい
生きていこうという考え方はいろいろな所でいわれていますから、少なく
とも何らかの社会を維持する力はあるのではないかと思います。

>>キリストは、完全にすべての人を愛する人類愛を説いていました。
>
>この場合の「すべて」とは、「キリスト教を信じる」という前置きがつくのでし
>ょうか。それとも原始宗教を始めとした異教徒も含むすべてでしょうか。

これも僕が考える限りは、異教徒も含む全て、という意味です(イエス自体は
異教徒でも関係なく愛したと思いますから)。実際今のキリスト教がどうであ
るかはよくは知らないのですが、あまりそのようにはなっていないみたいですね。

>「地球市民」という言葉を良く聞きますが、もともとこの発想はキリスト教的な
>考えをベースにして生まれたものかと思います。ですから、日本やキリスト教文
>明圏だけではなく、他の文明圏(たとえばイスラム)に対してもア
>ピールしうる言葉とはあまり思えません。
>コソボやチェチェン・インドネシアの話を見聞する限りでは、キリスト教やイス
>ラム教・儒教など宗教観の異なる文明どうしが「地球市民」として手を取り合っ
>ていく事はかなり難しい事のように思えますが。
>
>「みんな仲良く」という方向も必要かもしれませんが、違いがある事(解消され
>ない事)を前提にどうしたら良いかを考える事のほうがより現実的かと思いま
>す。

確かにそうですね。これは僕もそう思いました。文化が違って、人それぞれ考え方
が違うということを認識しておくことは大事なことだと思います。



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小宮 祐一郎
メールアドレス:can32960@pop07.odn.ne.jp


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