[BlueSky: 1924] 澤口 @ 大崎さんへ


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Fri, 28 Apr 2000 16:28:22 +0900

澤口@大崎です。

岩本玄太朗 さんは書きました:
>まけてなるものですか。
だんだん良くなってきているので、少しアドバイス。
岩本さんの散文表現力はなかなかのものなのですが、2つの
構造欠陥があります。
一つは、上から俯瞰した視線で物を考えていること、いまひ
とつは表現過剰なことです。
テレビで訴える、とか、会社をつくって云々、というのが前
者を端的に表しています。こういう書き方を続けていると、
文章力が付く前に、視線だけがどんどん高みに登っていくよ
うになります。神の視座に近づくといえば聞こえはいいので
すが、つまりは、抽象が進んで、かつ「えっらそう」になっ
ていく、ということです。
表現過剰、というのは文章の長い短いの問題ではなくて、要
するにひとつの表現の中に何もかもてんこもりしてはいけな
い、ということと、記号としての言葉のイメージに頼っては
いけないということです。
地の文章と、コントラストを付ける文を意識しましょう。
刺身のつまは色彩が単純だから料理が映えてくるのであって、
あれを5色だの十色にしたら刺身はまずそうに見えてしまい
ますね。
トレーニング方法としては、余計な感情や感動を入れずにひ
たすら文章スケッチしてみることがお勧めです。透明人間に
でもなったつもりで。
クールで正確な描写力が備われば、岩本さんの心にある環境
イメージがより生き生きしてくるでしょう。


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