[BlueSky: 1920] Re:1905 錆を止める


[From] Minato Nakazawa [Date] Fri, 28 Apr 2000 13:09:07 +0900

中澤@東京大学人類生態です。

(件名:[BlueSky: 1905] Re:1895 錆を止めるに於て)
Thu, 27 Apr 2000 18:26:51 +0900頃,Katsumi Tamaokuさん:
> ただ、亜鉛と鉄を接触させて水中におくと、亜鉛が先に溶けます。ですから
> 鉄の防錆になるのですから、水中の亜鉛イオンは当然増えます。
> 亜鉛イオンは毒ではありませんからご安心下さい。
中西準子さんと小島貞男さんの対談「日本の水道はよくなりますか」
(亜紀書房,1988年)によると,亜鉛引き鋼管の場合,日本の水道水
では,だいたい3年で亜鉛は溶けてしまって,その後は鉄が溶けだし
てくるそうです。亜鉛の溶ける量は接触時間によるので,朝一番の
水道水では5 mg/Lなんてこともあるそうです(水質基準では1 mg/L
以下)。亜鉛は濃度が高くなると白濁するので,白い濁り水の場合は
亜鉛濃度が高い可能性があります。亜鉛も必須微量元素ですから,
他の必須微量元素と同様,濃度が高くなりすぎれば毒性はあります。
酸性の食品やジュースなどを亜鉛メッキした容器に長時間保存した
場合,亜鉛が高濃度になって消化器障害を起こした事例があります。
トリハロメタンなども濃度が高くなっているので,朝一番の水
は飲用にはしないで,しばらく他のことに使ってから飲み水を
とった方がいいようです。
#なにごとも,過ぎたるはなお及ばざるがごとしなようで。

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Minato Nakazawa, Ph.D. <minato@sv3.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Department of Human Ecology, Univ. Tokyo
[WEB] http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/index-j.htm


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