[BlueSky: 187] Re:160 緑のありがたみ;裸地税


[From] Nagamitsu Teruyoshi [Date] Tue, 27 Jul 1999 06:12:34 +0900

大塚さんへ

札幌は、市街地でもみどりがおおい都市ですが、
広大な農地と森林があるここ羊が丘と
すすきののあたりをくらべると
だいぶ気温がちがいます。

さて、裸地税のアイデアはおもしろかったです。

環境政策を実施するうえで、
政策の経済的インセンティブをどのようにあたえるか。
環境保全物・行為への補助金よりも
環境破壊物・行為への課税の方が圧倒的にいいことは、
槌田さんなどものべていますね。

つまり、環境政策が実現したあかつきに、
補助金なら、おおきな行政がのこるが
課税なら、ちいさな行政がのこる。
環境破壊税の税収ゼロが、その環境政策の完成を意味し、
同時に行政の介入も必要なくなるからです。
一方、補助金だと
予算がなくなった時点で、環境政策もぽしゃってしまいますし、
うまくいっても、おおきな財政負担をのこします。

太陽光発電や風力発電も、補助金じゃなくて、
原子力や化石燃料火力への課税でやってほしい。

課税率を算出するのに、
環境破壊物・行為の多面的・長期的影響を評価する必要はありません。
その評価をきちんとやると、何十年もかかってしまうでしょう。
裸地の影響評価なんてたいへんそうでしょう。

課税率は、
環境破壊物・行為を環境保全物・行為におきかえる
現在のコストでいいんです。
たとえば、裸地税なら、
単位面積を緑化する現在の平均費用を課税率にします。

そうすると、裸地をもっている個人・法人は、節税のために
平均費用(税額)よりもやすく緑化する造園会社をさがすでしょう。
そこで、造園会社のあいだで価格競争がおこり、
緑化の平均費用は年々さがり、
裸地税の税率もさがってくるとおもわれます。

経済的利益ににしばられたり、あたらしい技術にとびついてしまう
なさけない私(たち)
あるいは、人為物質・行為の多面的・長期的影響をほとんど評価できない
おろかな私(たち)
はとうぶんかわりそうにありませんが、
裸地税のプランは、すぐに国や地方自治体で実行できます。
地域振興券なんてとんでもないものが実現しちゃうわけですから。

また、市民のあいだで疑似課税を実施している例もあります。
うちは、生活クラブ生協のグリーン電気料金をはらっています。
電気使用量の5%をよけいにはらい、代替発電の基金にするそうです。
5%とは、電気の浪費という環境破壊行為を、
5%の節電という環境保全行為におきかえる現在のコストだそうです。
5%くらいなら、スイッチをまめにきったりすれば実行できそうですね。

何が環境破壊で、何が環境保全なのか、代替発電とは何か、
ひとりでといつめるともんもんとしてしまいますが、
とにかく、いまの社会のメカニズムを利用して、何かを社会的に実行できる
というところがすっきりしてていいですね。



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