[BlueSky: 185] Re:176 欧州の原発事情について


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Tue, 27 Jul 1999 00:20:05 +0900

今田さん、田辺さん、今日は。兵庫県の小宮です。

今田さんwrote;
>しかるに我が国は43年前の方針を堅持し、北電1基、東電1基、
>東北電1基を強引に建設すべく進めています
>この落差はなんでしょうか?
>
>金儲けの為なら、他人や、後世の人類がどんなに迷惑になろうがわしゃ、
>知らんワィ とのことですか
>何方か答えて下さいませんか

資源エネルギー庁のHPに以下の記事がありました。

「地球温暖化問題を本質的に解決するためには、温室効果ガスの大
気中濃度を安定化し、温暖化の進行をくい止めることが必要であ
る。このことは気候変動枠組条約でも究極の目標として明記され
ているが、その実現のためには温室効果ガスの排出を現在のレベ
ルより少なくとも5割以上削減しなくてはならない。

ー中略ー

他方、温室効果ガス、中でもその中心となるCO2の排出を抑制
しようとすれば、化石燃料に依存する人類文明の経済発展は当然
大きな影響を受けることとなる。したがって、どこまでCO2を
削減し、その一方でどこまでその経済的影響を少なくして経済の
発展を維持していくかという整合的な目標の設定が今後の人類の
重大な選択となる。

ー中略ー

本対策は、エネルギー供給側において、現行「石油代替エネルギ
ーの供給目標(平成6年9月閣議決定)」に基づき、2010年
時点でCO2排出削減に役立つ新エネルギーを現状の約3倍の1
910万kl(一次エネルギー総供給の約3%)、また、原子力
を7050万kW(今後約20基の原子力発電所の増設に相当)
導入することを基本とし、その実現のためには、安全の確保はも
ちろん、広く国民の合意を得るように努力することが必要であ
る。 」

「地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合」より抜粋
http://www.enecho.go.jp/dayori/topic.html

また、こういう記事もありました。

地球温暖化防止のために、わが国は地球温暖化防止行動計画(平成2年
10月、地球環境保全に関する関係閣僚会議決定)に基づき各種の対策を
推進しています。しかしながら、平成8年12月に出された総合エネル
ギー調査会基本政策小委員会の中間報告によれば、仮に2030年度時点
においてCO2の排出総量を1990年レベルに抑制しようとした場合、省
エネルギー・新エネルギーを最大限に導入し、さらにCO2の排出が少
ない原子力発電を50基程度増加(現在の原子力発電所を倍増)して初め
て可能との試算が得られてます。

「地球環境とエネルギー地球温暖化防止のために 」より
http://www.enecho.go.jp/dayori/topic.html

要は、今までと同じ経済成長率の伸び率を維持し、なおかつ地球温暖
化を防ぐためには、化石燃料依存のエネルギー政策から抜け出し、原
子力エネルギーにもっと頼るようにしなければならない、という方針
のようです。

しかし、考えてみれば少しおかしな気もします。欧州では原発を
停止させて、なおかつCO2を削減しようと努力しているのに、なぜ
日本では、原発の増産が必要なのでしょう?

まず気になったのが「経済成長率の伸び率を維持」という言葉。つまり、
今のままの経済状態では、増産の必要はない、ということなのか。
僕は経済に関しては全然疎いのですが、現在使用しているエネルギー
使用量を更に延ばしてまでも、やはり経済発展を続ける必要があるもの
なのでしょうか?

それと、欧州では化石燃料に変わるエネルギーとして、風力発電等の
研究をしていると聞いています。また、田辺さんが言われている
ように、省エネルギーに対する国民の意識も高く、極力無駄なエネルギー
を使わないように皆が努力しているように思えます。日本のように、
建物や電車の中で寒いぐらいにエアコンをつけておきながら、エネルギー
供給が足りなくなるので原発を増産せねば、という政府の方針は、
やはり少しおかしいのではないでしょうか。「地球温暖化を防ぐため」
というのはただの名目で、本当の所は経済発展のため、というのが本心
ではないか、と疑ってしまいます。

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yuichiro komiya (小宮祐一郎)
e-mail:can32960@pop07.odn.ne.jp


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