[BlueSky: 172] Re:169 トリプトファン事件


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Sat, 24 Jul 1999 00:25:09 +0900

みなさんこんにちは。小宮です。

中澤さん、長峰さん,森さん,トリプトファン事件についての情報
ありがとうございました。僕は詳しい話を知っていた訳ではなく、
ただ読んだ本に載っていただけだったのですが。遺伝子操作の危険性
の例としてあげるには、ちょっと強引だったかもしれません。

僕が読んだ本も紹介しておきます。

「不自然な収穫」Ingeborg Boyens著 光文社

長峰さんwrote;
>それから、インスリンについては、組換えによって大量に生産できた
>ために生じた問題ですが、要はその使用方法(投与量や投与期間など)
>に問題があったのだと思います。ですから、いずれも遺伝子組換えそ
>のものに罪があったわけではないと考えています。

BSTに関してもこの本に出ています。大雑把に要約すると、

・BSTとは乳牛に自然に存在するタンパク質ホルモンのことで、これを
 補助ホルモン剤として使えば、乳牛の牛乳生産量を増加できる。
・BST産生遺伝子をウシから取り出して大量生産させる方法を遺伝子
 科学者が発見。M社がBSTを販売する権利を獲得。
・BSTの安全性について、アメリカで大規模な論争が起きる。M社はBST
 の安全についての多くの研究結果を報告。
・1993年、FDAがウシ補助ホルモン剤を承認しない科学的根拠はないと決定。
・1994年、M社がBSTの販売開始。
・1996年、BSTによるインスリン様成長因子の濃度増加と乳癌、結腸癌の
 関連性の研究が発表される。
・FDAがインスリンと癌との関連は科学的根拠がないものと断言。
・1998年、新たにインスリンと癌との関連性の研究が報告される。

本当に大雑把で申し訳ありません(本では一章を費やして説明されています)。
この本では、遺伝子組み替えBSTを投与したウシはインスリン様成長因子
が高くなる、と書いてありましたが、詳しい科学的根拠(天然ではなく、
遺伝子組み替え品で、なぜインスリン濃度が高くなるか)は書いてあり
ませんでした。ただ、BST投与によるウシに関する副作用の報告例を
載せてありました。確かにこれだけでは遺伝子組み替えが原因なのか
どうかははっきりしないと思います。




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yuichiro komiya (小宮祐一郎)
e-mail:can32960@pop07.odn.ne.jp


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