[BlueSky: 1647] 中山間地農業


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Tue, 04 Apr 2000 21:20:19 +0900

澤口@大崎です。

邑瀬さんは書きました:
>「遊び」だなんてとんでもありません。これまでの議論からもお分かりのよう
>に、農家の方が耕作を放棄した土地をどうやって温存するかという話です。実
>際に作業をされていることろに素人が行っても邪魔になるだけですから。それ
>と、子供には嫌なこともやらせるべきだと思います。
わたしの物言いに棘がありました。お詫びいたします。
でも、例えば、「証券会社にいって株の売り買いを実際に端末で少しさせてもらう」
とか、「寿司屋にいって大トロをさばかせてもらう。もちろん切った分は金を
払う」といった発想は絶対出てきませんよね。農業に限って、その、「ちょこっ
と仕事させてもらう」という発想が他の職業でなく農業には気軽に発言できるの
は、
・何となく農家に親近感がある
・農家の仕事は素人でも構えずに手が出せる
のどちらでしょうね。このことは生徒さんにも考えていただきたいと思います。
農家の土地に対する思いは山間部の耕作放棄地とはいえ、都会のサラ地とは違い
ます。ほとんど人生と一体化していますからねぇ。金銭的な価値だけではない
のですよ。

>おっしゃる通りだと思います。でも、農地が荒れていくのを見逃すわけにはい
>きません。ならば、どうしたらくい止められるかを考えなくてはいけないでし
>ょう。机上の空論にならないためにも、農作業の実状に詳しい方の積極的な発
>言を希望します。建設的な議論をぜひお願いしたいです。
自然のものは自然にかえすのもよろしいのではないかと。進化論に赤の女王仮説
というものがありますが、農業も同じです。平地での増産競争があって始めて山
間地利用に目的が与えられるのであって、自立的に土地を維持できる望みがなけ
れば、佐渡のトキみたいに小屋に飼われて哀れまれるよりは、草木や動物に喜ん
でもらうのがまだましでしょう。
わたしは山奥にひいじいさんの代に開墾した田を持っていますが、そこは今水芭
蕉畑(畑じゃないか)になりつつあります。田をやっているときは少なかった、
とんぼやどじょう、たにしが増えて来ています。超山奥(何しろ、田の中に山椒
魚がいる)ですから、除草剤と殺虫剤の多量散布なしでは耕作地を維持できてい
なかったわけですが、現在の状態を荒れたとみるか、豊になったとみるか。


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