[BlueSky: 1645] Re:1643 中山間地農業


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Tue, 4 Apr 2000 17:26:09 +0900

澤口さん,邑瀬さん,皆さん初めまして。

和尚です。

> 失礼ですが、中山間農業を遊びとしてとらえていらっしゃるのではないですか。

むっとされる気持ちも分かりますが,私も以前から学生というか感性の瑞々しい
間に本当の農業(家庭菜園や花壇でのひまわり栽培ではない)体験が是非とも必要
と考えております。

その理由は,私たちは経験することなくして真の理解は生まれないと殆ど確信する
からです。グリーンツーリズムなどという農水省の補助事業があって,農村をエコ
パークの様に仕立て,都会からツーリストを呼ぶ計画がありますが,見ているだけ
では本当に理解を血や肉にすりこむことは不可能です。

色々調べてみると大都市圏の消費者は,例えば野菜に求める要求として,
「値段が安くて,美味しくて,無農薬有機で,安全で,しかも見栄え良く」なんて
非現実的なことを平気で求めるのです。こんなことを考えるのもおそらく,自分で
野菜を作ったことが無いからです。然るべき規模で殺虫剤無しの野菜栽培をすると
どうなるか,やってみれば一発で解ります。そして要求していたことが,如何に相
矛盾したことであるか,あるいはそう言うことを本気で求めれば,農家は奴隷の様
に長時間重労働,しかも殆ど無給で働かなくてはいけないことを実感するでしょう。

以前,大阪の米専業農家(農の匠に指定されている篤農家)に,「私たち百姓は農
を宿命としてやっている。だから人件費という発想がどうしてもわかない」と言わ
れたことがありますが,それでも無給ではだれも働かないですね。

> 学校の都合に農作業をあわせるわけにはいきません。夏休み時期だと、草取り
> と農薬散布くらいになります。夏場の野菜というものもありますけれど、野菜
> 出荷は時間との戦いです(例えば、ハウス胡瓜だと、朝4時に収穫を始めて、
> 6時に市場)。農作業そのものに素人の手伝う余地はありません。

汚れ仕事や草取りも大事な農作業ですから,都会人をこき使って農業やるのも暑気
払いでしょう。甘やかしてはためになりませんね。身体中に農薬かぶりながらの
散布作業を体験したら,実は農家が一番農薬に曝されていることが解るでしょう。

縁有って,件の篤農家集団(みんな一騎当千の見るからに悪党面ですが)のブレイン
をやらせていただいて居るのですが,時々ドキッとすることを言われます。

例えば,
篤農家「横山はん,農水省はえらい役に立ちまっせぇ」
私「そうですか^o^,どんなところがですか?」
篤農家「いっつも言われることの反対しとったらええんですわ,ほんまたいした
もんや,いっひっひっひっひっひ」
私「・・・・・」

こんな感じです。ですから屹度グリーンツーリズムもぼろかす言われてることで
しょう。

青空MLで練られた「耕作放棄地と格闘しつつ,農地と環境,そして真っ当な
感性涵養体験プロジェクト」なんてのが出来たら素晴らしいと,やっぱり信じて
疑いませんね。私は!
では



横山 和尚/DGC総研


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