[BlueSky: 1634] Re:1614 農水省の資料から見た日本の食料事情


[From] "Yoshiyuki Aizawa" [Date] Tue, 4 Apr 2000 00:38:54 +0900

相澤です。

> 細かいことですが、植物性タンパク質はアミノ酸スコアが低いので注意が必要
> です。タンパク質源を牛肉から鶏肉にするだけでもかなりの節約になりますね。
> ご存じのように、一般に大きい動物ほど燃費が極端に落ちます。牛乳もできれ
> ばヤギ乳に代えた方がいいですね。ちなみに、ヤギは雑草を食べてくれます。

やぎは雑草を食いますが、家畜として肥育するのは飼料はやはり必要なのではないか
と思います。それにいわゆるgoat milk(やぎ乳)は、独特の匂いと味があり、アメ
リカに行った時に口にしましたが、日本では受け入れられにくいのではないかと思い
ます(日本でも売ってるのかな?)。日本なら豆乳のような位置付けになるかも。

私が学部の時に所属していた畜産系の研究室では、将来世界的に食糧不足になるのは
必ず動物性タンパクである、とし、
動物性タンパクの持続的生産のために反芻動物の第一胃(ルーメン)内の微生物の生
態系、及び生態系を構成する微生物の代謝を研究することで、効率よく家畜を太らせ
る(あまりいい表現ではないですが)ことを目指していました。

「将来食糧不足になるのは必ず動物性蛋白質である」
というのが私の頭から離れません。特に日本では。穀類を海外の輸入に頼り、アメリ
カのとうもろこしの作況に一喜一憂している状況を見ると、不安は拭い去れません。




> (中略) 全国的な動きにするのを促す方法として、都道府県レベルの自

> 体が地元の国立大学と提携するというアイデア・・・、まさに石原的ですが。

少なくとも農学部の学生は全員、農林業にある期間は従事すべきでしょう。遺
伝子工学が主流になって、肝心の「実学」を忘れがちになっています。「木を
見て森を見ず」ですね。しかも、(全員とは言いませんが)大学生はけっこう
暇です。農学部はほとんどの国立大学にあるので、かなりの労働力になります。

私も農場実習に何度か行きました。しかし、期間などを考えると、実際には労働力に
はならなかったように思います。体験としては非常に興味深かったですが。その後農
業を目指す人間は悲しいことにほとんどいません。
最近の学生にとって「農学部」のイメージは、ニアリーイコール遺伝子工学になって
いるように思います。そういう学生たちにとって、農業は近いようで非常に遠いよう
に思います。

日本の農業を維持するためには、以前難しいという議論がありましたが、やはり深刻
な後継者不足を補う意味で、就農を希望する脱サラリーマンを研修を受けさせた上
で、引き継がせるのがいいのではないかと思います。サラリーマン時代に身につけた
経済感覚を生かせれば尚良し。





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