[BlueSky: 1623] 環境とめん類  Re:1616 農水省の資料から見た日本の食料事情 ( 食料自給問題)


[From] "SUKA, Takeshi" [Date] Sun, 2 Apr 2000 15:25:32 +0900

須賀です。

米の消費量を拡大するため、「ビーフン」という東洋の知恵に脚光を
あてる試みがありましたが、

小宮さん:
> >どこかのメーカーがインスタントラーメンやお菓子をあまっている米で
> >うまく作る技術を開発しないでしょうか。

伊東さん:
> それってビーフンと言う物じゃ・・・・
> 私は好きですけど。

めん類大好き人間としてわたしは、オルタナティヴとして米を使った
ベトナムのめん類フォーを推奨したいです。開高健の小説なんかにも
でてくるのでご存じの方もいらっしゃると思いますが、去年の連休に
ベトナムに観光旅行に行ったときに食べてやみつきになりました。
小ぶりの椀にうどんを細くしたようなやわらかいめんが入っており、
そこに薄味のあついおつゆがかかっていて、パクチーという香りの強
いハーブやモヤシなどをたくさん入れて食べます。鳥肉などが入って
いる場合もある。あっさりしていて朝食にびったりです。あんなもの
が安く屋台で食べられるなら、毎朝食べてもいいな。これは特許に関
わるかもしれませんが、僕はとりませんから。僕は食べるだけです。
でもあれは、ホーチミン市の喧噪と朝の光をあびながら食べたからあ
んなにうまかったのかな。

穀物の消費を考えるにあたって、めん類を安くおいしく食べられるか
どうかは重要な論点であると提起したい。どのくらい重要かというと、
以前パナマ市で昼食をとるとき、ピザを食べよう、ともりあがってい
る米国人・ヨーロッパ人・ラテンアメリカ諸国人の友人たちに、僕は
そのとき「別行動をとる」と言い渡し、治安がわるく危険だと言われ
ていたダウンタウンをひとりで通りぬけて、古い港のそばにあるさび
れかかったチャイナタウンをみつけだし、そこでラーメン「みたいな
もの」を食べて満足して帰ってきました。そのくらい重要です。

以前大阪や京都に住んでいたときはうどんが好きでしたが、信州に
来てからはもっぱらそばです。これは小麦からソバへ、という自給率
の観点からみても好ましい変化といえるでしょうか。駅の立ち食いの
てんぷらうどんが好きでたまらなかった中学生・高校生のころは、
「そばにうるさい気障な東京人」というものを頭のなかで想像して
むやみに反発したりしてたのですが、今ではそういうこともなくなり
ました。しかし僕の場合はただめん類全般が好きなだけで、何という
か、その、いわゆる「そば喰いの達人」というものにはほど遠い状況
です。その立場から指摘すると、そばはうまいけどちょっと高いです。

けれども僕の行動圏のなかに、地元のひともうまいと推奨するそば屋
があって、場所は教えられませんが、確かにうまいです。地元のひと
によると、その店は「水がいいからうまい」とのこと。つまり渓流の
水かわき水をつかっているわけですが、その立地がいいのだという話
です。

それで何がいいたいのかというと、うまいめん類が食べられないよう
な地球環境は生きるにあたいするだろうか? いや、「めん類なんか
食べなくてもピザやハンバーガーがあれば生きていける」という方も
いらっしゃるかとは存じます。そういう頑健な方々にくらべたら確か
に僕はヒヨワです。

人生は涙のように塩辛くとも、心はいつもめん類のようなしなやかさ
を失いたくないものですね。

それではまた。






Takeshi SUKA
Nagano Nature Conservation Research Institute (NACRI)
E-mail: suka@nacri.pref.nagano.jp


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