[BlueSky: 1592] コスタリカ (0) 帰りの機中から


[From] Kimio OTSUKA [Date] Tue, 28 Mar 2000 10:26:25 +0900

大塚@大塚 です

コスタリカの報告を-番外-から始めます。

 コスタリカへの直行便は無く、アメリカで乗り継ぎをしました。行き
はダラスで2時間ほどの待ち合わせでしたが、帰りはマイアミに一泊しな
くてはいけませんでした。そのマイアミ発が 7:30。この便はシアトル経
由でシアトル発は12:30。時差があるので、6 時間程飛行機の上でした。
シアトルで 2h弱待った後に 10h あまりかけて成田でした。さすがに
ちょっとこたえました。

 マイアミ−シアトルと言えば、アメリカ本土を袈裟懸けにするわけで
す。マイアミは朝でも汗ばむ陽気でしたが、お昼前のシアトルはかなり
肌寒かったです。その間の数時間で合衆国の広さを実感しました。
 ず〜っと陸地ばっかり。
 山あり低地あり、森もあれば、砂漠にしか見えないところあり。
 
 そういった中で、印象に残った光景があります。
(以下、見て、思ったことをそのまま書いているので誤認があるかも知
れません。)

 中学・高校で使った地図帳には、「三角州」とか、「河岸段丘」とか
の地形がどのようにできるかの図解が載っています。そういった中に、
水の流れの浸食による地形変化の図があります。その浸食の始まり(幼
年期)そのものの、流れがあって、その周りが浸食を受けている地形が
ありました。印象に残ったのは、それが畑であったからです。

 傾斜地をそのまま畑にしたところで、表土の流出が起こっているよう
です。合衆国の農業は歴史が浅く、一部では表土の流出が問題になって
いると聞いていました。どうもその現場を見てしまったようです。
 傾斜地での耕作は「棚田」とか「段々畑」をよくみますが、これは
「土」を守るためだというのが改めて実感しました。傾斜が急であれば
このような工夫も当然ですが、緩い傾斜だと手っ取り早くそのまま耕作
を始めてしまい、浸食が徐々に進んでこうなったのかな、と思いました。
絵に描いたような浸食地形に、畑の境だけは直線に引かれているのがな
にやらもの悲しく感じました。

 このようなとても持続可能とは言い難い農業に食料を依存していくの
はとても危険な事だと思いました。
 やはり食料自給率はもっと上げなくては。でも、石油化学工業製品の
肥料とか、化石燃料を燃やす農業機械を使っていると、日本で生産して
いても本当に自給とは言い難いのですよね。

以下旅から離れますが・・・

 地球上のそれぞれの地域で地元で(あまり無理をせずに)作られた作
物を食べるのが、安全保障の面からも余計なエネルギー消費を減らすた
めにも好ましいと思います。もちろん合理的な「植物工場」を否定する
つもりはありません。無茶な多肥多農薬の露地栽培よりも無駄の少ない
植物工場もあると思います。

 その意味で、このところ話題の遺伝子組み替え作物にも期待したいと
ころです。どうも企業主導のものは短期で投資を取り戻し利益を上げる
事をねらったものが多い気がして気に入りませんが。育種は公的な機関
で行ってその成果を農業者に無償(開発経費の回収を目的としない価格)
で提供するのがよいと私は思います。

 Think globally, act locally... この ML に関わるのも act の一部
ではあるつもりですが、せっかく通勤時間を短縮したのですし、もう少
し act の部分を増やしていきたいなと思っています。
(以下、別便へ)

大塚公雄
東京医科歯科大学


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