[BlueSky: 1429] アオコの話( Re:1423 尋ねごと。)


[From] Shoot [Date] Sun, 20 Feb 2000 15:14:26 +0900

Shoot@芝生屋です。

west@notes.metocean.co.jp さんは書きました:
> はじめまして。西と申します。
>
> > 皇居のお堀の水の色って、緑色じゃないですか。
>
> しばらく皇居近くで勤務していたこともあり、お堀の水は
> ときどき眺めていました。
> 閉鎖的で富栄養化した水域には植物プランクトン(種類は
> さまざまですが、霞ヶ浦などでも多いアオコ(ミクロキスティス
> やアナベナなど)もその仲間です)が増殖します。
> お堀の水も閉鎖的なので、これらが多いことは十分考えら
> れますし、ほぼまちがいないでしょう。

私もアオコだと思います。

> ところで千葉ディズニーランドには作り物の池がありますが、
> あの水は明らかに着色していると思うのですが、どなたか
> その目的、方法、影響についてご存知ないでしょうか。
> 多分、バスクリンのような色素を使って、水が腐らないよう
> にするためではないかと想像していますが。

ディズニーランドについては詳しくないのですが・・・。

アメリカのゴルフ場ではTV写りを良くする、浅さを感じさせないようにするなど
の意味があり、池用の着色剤を使用している例があります。
オーガスタナショナルGCもマスターズが行われる時には着色されています。

また、藻類の繁殖防止にも使用されています。
藻類の繁殖は、重金属系の殺菌剤で抑制はされるのですが、
さすがにこれは行いません。
(自治体にもよりますがゴルフ場では修景池の水質検査は非常に厳しく、一度検
出されるとゴルフ場の負担でNDが出るまで繰り返し検査を行いますが、これが結
構高価です)

池の汚れは、観光や (人工的な)景観維持の点から言うとマイナス要因ですので。

池の汚れといえば、ソウギョを池に放しておくと水がきれいになるというので、
ゴルフ場から注文をもらったことがあります。

ところで、アオコといえば、こんな記事が・・・

> 有毒アオコ除去へ新手法(2月19日茨城新聞)
> 原生動物で湖沼浄化
> 筑波大助教授発見、実用化目指す
>
> 水質汚染が進んだ湖沼などで発生する有毒アオコを効率よく捕食・分解する原生動
> 物(微小べん毛虫)を筑波大助教授が霞ケ浦で発見、この原生動物を用いた有毒ア
> オコ除去技術の実用化に取組んでいる。アオコが作る有毒物質については、この一
> 年のうちに世界保健機構(WHO)が飲料水中の濃度基準を定める見通しで、世界
> 中で除去技術の確立が急がれている。自然生態をそのまま生かした廉価で環境にや
> さしい同技術の実用にめどが立てば、汚染が進む湖沼浄化の有力な手法として世界
> の注目を集めそうだ。
>
> 有毒アオコを捕食・分解する原生動物を発見したのは、筑波大学の杉浦則夫・農林
> 系助教授(51才)。
> 杉浦助教授によると、霞ケ浦の実地調査の中で、アオコの毒素が秋口になって急激
> に減る現象を確認。1998年8月に有毒アオコを顕微鏡で観察したところ「この
> アオコを猛烈、高速に捕食するべん毛虫類を発見した」(杉浦助教授)という。ア
> オコとともに毒素も分解していることも分かった。
>
> アオコが作る三種の有害物質のうち、一種類だけを分解するバクテリアはオースト
> ラリアで発見されているが、アオコと同時に三種の有害物質を捕食・分解する今回
> の原生動物のような報告例は世界中にないという。
>
> アオコの毒素の中で代表的な「ミクロシスチン」という物質は、強い肝臓毒性を持
> ち、発癌性も指摘されている。マウス1キログラム当りのの致死量実験では、ダイ
> オキシンの三十倍もの毒性が実証されている。
>
> ミクロシスチンは琵琶湖など各地で検出されているが、98年8月11日に杉浦助
> 教授が霞ケ浦のヨットハーバー近辺で採取した未処理のの水からは、1リットル当
> り2880マイクログラム(1マイクログラムは百万分の一グラム)のミクロシス
> チンが検出されたという。
>
> 厚生省などによると、ミクロシスチンは浄水場での処理や塩素消毒の過程で分解さ
> れる為、浄水処理を徹底すれば飲料水中で高濃度になる可能性は少ない。
> だが、微量でも飲料水に混入すれば肝臓に影響することもある。
>
> 理論的には、今回発見された原生動物を自然の中で大量に増殖させ、有毒アオコを
> 捕食・分解することが出来れば、環境にやさしい手法で水質浄化が図れる。また、
> この原生動物は水温20度以上になる夏期の日本の湖沼に生息しており、確保する
> のも容易で大量増殖技術も既に確立している。
>
> しかし、課題も残っている。アオコはカンテン質の膜に覆われており、原生動物は
> この膜に邪魔され、なかなかアオコそのものに達することが出来ない。これについ
> ては、国立環境研究所に実験施設を造り、ミミズ類を使ってカンテン膜を分解した
> 上で原生動物にアオコを捕食・分解させる実証実験を同研究所と共同で行っている
> ところだ。
>
> 杉浦助教授は「生態工学を活用した除去技術の確立は予算的にも低廉で非常に有
> 効。湖沼などで実験した上で2,3年後には実用化にこぎつけたい」と話してい
> る。


> あれを子供は自然な色と誤解するのではないかと思って
> 以前から気になっていました。

Very Truly Yours
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Shoot
syutaro@dc.mbn.or.jp
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Don't Worry Be Happy.


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