[BlueSky: 142] RE: [BlueSky: 138] ナショナル・トラスト


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 20 Jul 1999 15:51:44 +0900

葛貫です。

>これはたしかに面白い発想ですね。具体的にいうと、保護したい土地をまず
>お金で買ってしまう、ということでしょう? 

生活環境に近い土地ではありませんが、
20年近く前に、自然保護協会が、「知床100平米運動」というものをしていたよう
に記憶します。全国から有志を募って、知床の斜里町の見捨てられた農地(?)
を100平米を定額で買ってもらい、自然に還すというような運動であったと思います。

その土地で開かれた自然教室に参加したことがあります。
大学生がリーダーとなり、全国から募集した小学生〜高校生と
地元の小学校に合宿し、毎年、調査を続け、どのように自然な状態に復元して
ゆくか、植生等の追跡調査しようという企画があったように記憶します。
クマゲラ、ノゴマ等、お目当ての鳥達に逢えたのは嬉しかったけれど、
霧が重く立ちこめ、8月でも気温が17℃にしかならない土地で、崩れかけた廃屋を
見ながら植生調査をしていると、このまま迎えのバスがこなかったら、
自分達まで草に埋もれてしまいそうな気がしました。
都会にいると「自然は守るもの」であるように思っていますが、
私達は、偶々、この時代の日本に生まれたから、このような生活をしているのだ、
電気、水道等、文明の利器がなかったら、身一つではどれほどのものか、
人間って結構、弱っちいものなのかもしれないと実感したのを憶えています。
科学技術の進歩は、人の五感や洞察力の退化をもたらしたのかもしれません。

私がかかわったのは第1回の自然教室だけなので、その後、どうなっているか、
わかりませんが、このような企画が増えて、浮き世のしがらみに搦め取られてしまう
社会人になる前に、サバイバルとまでは行かなくても自然と人間の活動がせめぎ合う
ようなところを体験し、いろいろな生き物が頑張って生きている姿に出逢いつつ、
自然界の中における人の位置を考える機会を持つことができたら、
自然や環境に対する意識も変わるだろうなと思います。

Y.Kuzunuki <kuzuny@geocities.co.jp>




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