[BlueSky: 1403] 1376 Re:1366 科学・技術と社会


[From] yuichiro komiya [Date] Mon, 7 Feb 2000 09:46:05 +0900

須賀さん、星野さん、こんにちは。小宮です。
(須賀さん、御丁寧なレスありがとうございました。)


星野さんwrote;
>  今朝,科学と技術はよく一緒に議論されますが,やはり,別物で,この
> 小説家志望の人の「科学」は「技術」であって,科学という原理や法則を
> 応用や悪用したものが技術である。哲学も一くくりに出来ない広さがある
> と思います。私は哲学(科学者の思想)と科学は表裏一体で,哲学があっ
> て科学が生まれると思う。また,哲学(時代精神)と技術も表裏一体であ
> ると思います。電気製品や農薬を生み出したものは「技術」であって,科
> 学はもっと高尚なもの崇高なものとおもいます。
>  例としてあげるなら,日本の経団連の哲学は「金儲け」で,金儲けにす
> ぐ結びつく技術を必要としています。
>  これらの「金儲け技術」がいいのか悪いのか見分ける眼は,「科学」で
> しか養えないと思います。それで,小中高校の科学教育が重要だと思いま
> す。

僕も、本当に哲学と科学は表裏一体であると思いました。そう
いえば、もともと科学自体が、哲学の一分野から派生したもの
であったと思います。アリストテレスやタレス、デモクリトス
等、昔の科学者は全て哲学者ですから、科学というもの自体が
自然現象をみつめ、この世界を解きあかし、自然の仕組みやそ
のなかでの人類の存在意義を模索するようなものであったので
しょう。

しかし、今はそういう、自然科学の研究というものはひどく少
ないように思えます。それは、研究自体が大がかりなものと
なって、研究に巨大な資本が必要となり、大学での研究も企業
と結びついたものが多くなったからではないでしょうか。遺伝
子技術等も、これら企業の資本を借りない限りはとてもできな
いでしょう。

もちろん、これらの「利益のための技術開発」が悪いものだと
いっているわけではなく、もともと技術自体には善、悪といっ
た観念はなく、使い方によってそのどちらにもなると思います。
これらの技術によって様々な医療技術の発達、交通機関、情報
機関の発達など、人類も大きな恩恵をうけてきたわけですし、
また、よくは分かりませんが、企業活動による経済の活性化、
という効果もあるのでしょう。日本人が豊かで幸せな暮らしが
できるのは、なんといっても企業活動のおかげなのですから。
ただ、企業自体は本質は利益追求の機関ですから、それ自体に
倫理的行動、自主規制を求めるのは難しいと思います。現在の
ように科学技術が環境に与える影響が大きなものとなった今で
は、やはり何か外からの規制、監査が(研究活動に対しても)
必要なのかもしれません。
(いつも自分は何もしないて口だけの話で申し訳ないとは思う
のですが…)


純粋な科学に対しては、須賀さんが御指摘の通りだと思います。

>しかしそのことをみたしたうえでも、人間と自然界、人間と環
>境の関係のあり方について、「世界観」の領域ではたらきかけ
>をおこなう側面がでてくるという認識は必要だと思います。

ただ、その科学教育をどのように行うか、というのは難しい問題
なんでしょうね。アメリカではダーウィンの進化論を義務教育で
教えないような動きがあるという話も聞きましたが…







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