[BlueSky: 1363] re.re. 第十堰は多面的な問題


[From] "gengorou" [Date] Tue, 1 Feb 2000 22:32:28 +0900

皆様、こんばんは、ゲンゴロウです。
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よく分かりませんが、私も、ちょっと。

(固定堰と暴れ川)
私の家の裏には私の家に向かって幅2メートルほどの坂道があります。
雨になると、そこを我が家の塀に向かってドーーーーと水が流れてき
ます。その水は、今度は我が家の横の階段をドタンコ、ドタンコと、
流れ下って行きます。
それを見て、暴れ川に堰を作った昔の人の知恵には驚かされます。

(堰と用水路・・・取水堰)
堰とは、前述した水流の速度を減速する効果と、もう一つ分水路
(取水路)の存在があるようです。
分水路が天然の川だろうと人工の運河だろうと、そこへ一定の水を流
すためという目的があって堰は作られているのだと思います。つまり、
その水路に常に一定の水を取り入れるために堰に一定水位の水を貯水
するために堰はあるのでしょう。そして分水路の入り口の弁によって、
水量の調節をしているようです。
本流である川の水量が極端に少ない場合、堰の水門の調節では、川の
流れの方向が変わる現象さえおきるのではないでしょうか。

(固定堰と可動堰)
堰を固定堰から可動堰にする効果(目的)はなんでしょう???
可動とは川の流れをコントロールすることです。
そのコントロールとは、「本流の水量のコントロール」と、
「川の流れの方向のコントロール」の二つがあると思います。
私の想像では、高度な可動堰の目的は後者ではないかと思います。

またその水位または貯水量を増やすことで、支流へは安定した
多量の水を流すことが可能になると思います。
(稲作する日本では昔から川の流れを巡っては水争いがあった
 ようですが、現代では水が流れ込む土地の値段は将来、跳ね
 上がるのではないでしょうか。)
つまり、堰を高くすると分水路へ流れる水の量が増すわけです。
(吉野川の場合、以前本流であった川への水量が増す。。??
 水の取り合いかも。。。)

ところが、固定型で堰を作り水位を高くしてしまったら、洪水の時に
増水し上流で堤が決壊し、その決壊したときの水は下流にある街を襲
うことになります。水位を上げ水量を確保した場合におこる大雨の時
の洪水を防ぐのが可動堰を作る目的なのではないでしょうか。

(可動堰と自然環境)
このことを念頭に置いて、では、堰でのコントロールは自然に対して
どのように働くのでしょうか。
川の水の量が極端に少ない場合、可動堰は開かれることはありません。
また、吉野川の推量が多量になったとき水門は大きく開かれます。
このことは、吉野川の吉野川堰より下流の川の状態を考えると水の
少ない時期には全く水が流れなくなり、水の量が多いときには極端な
流れが生じるよう思います。
すなわち川においては、可動堰は「極端な環境変化」を下流の川に与え
ることになるのではないでしょうか。
固定堰より可動堰は、下流の川の環境に、一時的ではなく、可動堰が
ある限り、はるかに高い頻度でしかもめまぐるしく変わる環境変動
(川の流れの量の極端な変動)をもたらすように思います。
(極端な、しかも不規則な変動をする環境では、どんな生物が現れ
 るのでしょうか。)

(環境変動の速度)
環境問題で、私がいつも懸念しているのは「環境変化の速度」です。
環境問題での問題は人々の考え方、生き方、価値観で善とか悪に変化
するものではなく、「環境変化の速度」がそこに現存する生物にとって
「速い場合が悪」であり「遅い場合が善」なのではないかと思うのです。
「環境変化速度が速い時が破壊」、「環境速度の鈍い時が自然との共存」
だったのではなかったでしょうか。

このような観点で自然と人間の関係を捉えない限り、どんな治水、建
設、生活も人間には今、許されない状況になっているのではないで
しょうか。

(コントロールと自然)
自然現象のコントロールは、私たちには住み易い環境を提供してくれます。
具体的に私たちの生活の中でいうと、住環境において、夏でも冬でも
湿度、室温を一定にコントロールすることです。これも可動堰と同じ
コントロールのような気がします。それが、必ず、下流、すなわち、
未来に住む人々や生物に大きな環境変化をもたらすのではないでしょうか。
このよう環境に大きな環境変動をもたらす一部分の環境への過度の介入は、
場所と時を異にする環境に連鎖的に影響を与えるように思います。
このことは環境問題を考える上で重要なポイントになるかもしれません。

(蛇足・・・治水による中央政治)
可動堰は「以前本流であった現在の支流」と「現在の本流」である
二つの川への水量のコントロールで、中央が地方をコントロールする
意味合いもあるかもしれません。
環境のことなどは、二の次三の次なのかもしれません。

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ほとんど想像。genngorou






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