[BlueSky: 1350] Re:1349 雇用対策とし


[From] "Hiroyuki Sagawa" [Date] Sat, 29 Jan 2000 23:44:59 +0900

みなさん、こんにちは、佐川です。

なんだか、みなさん熱くなってますね。そういうときは「星は昴」です。


《横山さんwrote》
> ちょっと誤解されそうですが,日本の台所事情を一番熟知しているの
> はやっぱり大蔵省でしょう。そして彼らだって,巷に言われるように,
> 馬鹿でも悪人じゃないし,殊更日本をダメにしてやろうという陰謀は
> 無いですよ。この辺は掛け値無しに認めるべきです。それでも上手く
> 行かないのがこの現実という複雑さの悩ましい所なんですが・・・・

論座2000年一月号に掲載された大澤真幸の『責任論』が面白いです。
悪意が存在しないにも関わらず、“結果として”我々に重大な損失をも
たらしてしまう現象(たとえば、「公共事業」や「大蔵省」のように)を分析
したものです(最近の少年犯罪に象徴されるものの分析が主なテーマ
ですが)。

私たちが生きる“超産業社会”では、悪意がなくても、もっと言えば良心に
もとづいた行動であっても、“結果として”重大な損失を私たちにもたらす
ことがしばしば起きます。

このような事態は、我々の伝統的な道徳感覚では、対応できないもので
あり、新しい「〈道徳〉ではない行動原理」を見つけださなければいけない
のです(それが具体的にどのようなものになるかは今の私には想像でき
ません)。



>何度か申し上げましたが,長期の策としては教育を抜本的に変えることです。
>人の言うことに従うだけのロボット人間製造を止め,自分で考え(この考え
>ることは,単純素朴思考ではない深く複雑な熟考のことですよ),考えたこと
>は直ぐ実行する勇気を持ち,自らの行動が他の誰とも似ていなくてもへこたれ
>ない強力な個性と覚悟をもった人間を一人でも多く育てることです。そして,
>そう言う人間が少数でもいたら,自分と同じ馬鹿じゃないからといって虐めな
>いで未来への投資として皆で育てることです。この点教育者の方には特にお願
>いしたいです。

ロボット人間は今時の大人です。まず私たちが、↑のような人間にならなければ
子供たちを教育できないでしょう。

大人が今のままで、かつ、↑のような教育改革が成功したら、子供たちは、漱石
のような孤独を味わうことになってしまいます。蒙昧な親と聡明なその子供という、
横山さんたちが経験したことの再生産です。


佐川でした。


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