小宮さん、一ノ瀬さん、みなさま
いわおです。前回の投稿ではBTトウモロコシに関する朝日新聞の記事のソー
スを確認しておりませんでした。(Web版の記事にはソースを明記してもらい
たいもんだ。ブツブツ・・・)
ソースは、EPAのホームページのPress Reseaseの1月14日のところに
ありました。
http://www.epa.gov/epahome/press.htm
の、Headquarters Press Releases からたどれます。
「2000年の生育期に関してのBTトウモロコシに対する害虫抵抗性管理の
指針」というようなもので、主要点は前述のように、各農家が最低20ー50
%の栽培面積に非組換え品種を栽培しなければならないということです。(通
常の地域で最低20%、周囲にワタ畑がある所では最低50%というものです。
ワタにも組換え品種が多いせいでしょうか。)
で、それに付随して、ターゲット以外の昆虫、とくにオオカバマダラ(
Monarch butterfly)に悪影響がないよう任意の対策をとり、場合よっては一
部地域で栽培制限も行うよ、ということです。
このオオカバマダラが、例のBTトウモロコシの花粉のついた植物を食べて
死ぬ、というやつです。いまや遺伝子組換え作物反対運動のマスコットになっ
てしまいました。最初の報告は室内の実験で花粉も非現実的に多かったので批
判が続出しました。その後の研究で、ほとんどの場合屋外では問題になるほど
のことはないということですが、場合によっては死ぬこともある、死なないま
でも弱るのではないか、とのことです。もちろん、
一ノ瀬さんの:
>「農薬を使ったら、殺す必要のない虫だって死ぬ」
というのは実に効果的な反論だと思います。
ただし、日本人が想像するほどにはアメリカのトウモロコシ農家は農薬を使
わないのかも知れません。大部分は飼料用でしょうし、「トウモロコシの代表
的害虫は茎の芯にもぐり込んで食い荒らすので外から農薬をかけてもほとんど
死なないから、非組換え品種にも農薬はかけない農家が多いだろう」と書いた
Natureの記事がありました。そうなるとまた、遺伝子組換えのリスクと利益の
バランスが変わってきます。なかなか一筋縄ではいきませんね。
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