[BlueSky: 1236] Re:1229 少子化問題・人口減少問題


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Mon, 10 Jan 2000 00:45:10 +0900

みなさん、あけましておめでとうございます。小宮です。

2000年問題もたいしたことがなかったようで、なによりですね。
でも世界的な環境問題はいろいろ厳しくなっているようで、今年は
いろいろな問題が表面化してくるような気がしています。

葛貫さんwrote;
>「人間の子育てには周囲の協力が必要 で、それを得るために、
>母親は何らかの「取り引き」あるいは「妥協」を必要とする。
>この支援のシステムが崩壊すると、 親身になって世話をして
>くれる人がいなくなり、子供の発達が阻害され、自己中心的に
>なったり、他人の立場になってものを考えられなくなる可能性
>がある。極端なケースでは、他人に共感することがまったくで
>きない子になる。 人が生まれながらにして共感を育む能力を
>持つとしても、その能力が花開かないとしたら、この形質は
>子孫に受け継がれない。 相手に共感するという人間特有の
>感情を失うと、いま私たちが考えている人間とは違う生き物に
>なってしまうだろう。 」というような内容でした。

今ちょうどニコラス・ハンフリーの「内なる目」という本を読んでいた
のですが、この中でハンフリーは、人間の意識、自己認識能力というもの
は相手に共感して、社会的な生活を営む必要が生まれたところから進化
した、他の動物にない人間特有の能力であると言われています(実際には、
人間以外にも社会的生活を営み相手の意識を洞察する必要があるいくつか
の類人猿等にも意識があると思われる)。実際、単なる行動自体には意識が
必要でなく、相手に共感する必要がない動物、昆虫などにはそういった
ものが見られない、ということです。相手に共感できる、という能力は
社会的生活を営むため自然淘汰の進化から得た人間特有の能力なのかも
しれません(見当違いのことをいっているかもしれませんが…)。

後藤さんwrote;
>隣近所が助け合い、共同して子育てする、という状況が戦後どんどん希
>薄化してきて、狭いマイホーム、マンションの内と外の隔たりが極めて
>大きくなってきたように思います。
>
>しかし、個の「自由と責任」が推進された、というよりは、個の「勝手
>と無責任」が増長されただけ、のようでもあります。それはまた同時に、
>「共感」喪失への道でもあり、「孤立化」「自閉症化」への道でもあっ
>たようです。
>
>周囲に与えるであろう不快感を全く気にする様子もなく振る舞っている
>ように「みえる」一部の若者はその申し子であるように思えるのです。

しかし、昨今のニュース等見ていると、本当に日本人の他人への共感能力、
というものは低下してきたのではないか、と思わざるをえません(もちろん
全体的な傾向ではないのかもしれませんが)。なぜなんでしょうね。インター
ネットの普及で幅広い情報が簡単に得られるようになったおかげで、個人同士
の人間関係から情報を得る必要がなくなって、その能力が退化してしまって
いるんじゃないか、なんて考えたりしました。そうであれば、インターネット
という素晴らしいメディアも、思わぬ諸刃の剣になっているのかもしれません
ね。


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