[BlueSky: 119] Re:100 ターザンごっこのできる町


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Fri, 16 Jul 1999 17:52:57 +0900

後藤さん,MLの皆さん

和尚.横山@農環研です。

>ところで、和尚さんにとっての環境問題って何ですか?
>僕にとっては、
>
>ターザンごっこのできる町
>
>が、理想とする環境です。

私にとって環境と言うのは人の心の内,人間関係,地域産業,地球生態系等々
と階層構造をなしているのですが,それらが全て密接に相互作用しています。

ですから,後藤さんの言う「ターザンごっこのできる環境」も結局同じ視点なの
ではと勝手に解釈していて,ターザンごっこができる環境には当然,身近に
森があったり,ごっこあそびが出来るような仲間がいたり,心のゆとりがあったり,
それを全部育む地球生態系が必要なわけでしょう。

言い換えればそれら多重階層の重要さに優劣は無いわけです。

ただ,今一番気になるのは身近な人間の心の問題です。
このMLに参加するくらいゆとりのある人は別でしょうが,心の荒廃は目を覆う
ばかりです。少なくとも私にはそう見えます。子供は子供なりに,若者も,壮年も
心の中を見ることが出来ればきっと乾いてひび割れた荒野か砂漠のようでしょう。

昨年一年間の自殺者がなんと3万人です。未遂者を含めると10万人規模の人が
毎年自ら死ぬことを真剣に考えたり行動している社会ってやっぱり異常と感じます。
原因はいろいろでしょうが,こういう身近な問題から私たちが今生きている環境を
考えて行きたいと念じています。

こういう心の荒廃を生む何か,例えば極度に競争的で忙しく,その忙しさを生み出す
何でも急ぐ社会を現出させた一因が自分が仕事にしている科学技術ではないかとの
思いもあり,その反省も込めて[BlueSky:19]のような表現になったのです。

身近な自然に目を向ける心のゆとり,その人をホッとさせる社会,そしてそう言う社会
こそが地球環境と人類の未来を憂える想像力豊かな人を育むのだと信じています。

結局人間の心の問題なのです。

Kazunari Yokoyama, Ph.D.
Soil Microbial Ecology Lab.
National Institute of Agro-Environmental Sciences, Japan
Phone:+81-298-38-8300
Fax:+81-298-38-8199


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