中澤＠東京大学人類生態です。
(件名：[BlueSky: 1136] 福岡産廃処分場死亡事故に関してに於て）
Tue, 23 Nov 1999 22:58:40 +0900頃，yamachi yowsukeさん：
> 「安定型産業廃棄物処分場及び焼却施設」
> 敷地内で２名死亡、１名重体（３週間後の１０月末に敗血症のため死亡）、
> 一人軽傷、という事故が発生しました。
労災としても環境汚染としても大変な問題と思いました。
環境汚染としては，産廃の処理はさしせまったニーズがあるのに技
術は不十分なのが，根本的な問題点かと思います。コストを重視し
て余裕を見込んだ安全対策になっていないという面も大きいでしょ
うが。
> ６．今後の行動
> 来週から継続的に、周辺の川の水の目視調査、生物調査、
> ｐＨなどの非常に簡単な化学調査を行い、
> 川に沿って水系的なデータを蓄積していきたいと思っています。
> 底質の色や水生動物、パックテストなど、素人にも可能な
> 簡単にできる調査法がありましたら、やり方の詳しいことや
> いろいろ教えていただきたいと思います。
パックテストは本当に目安程度にしか使えないので，データとして
はちょっと弱いと思います。この数年，学科の学生実習で総硬度キ
レート滴定とパックテストを同じサンプルについて実施しています
が，有意な相関はでません。簡易測定キットでは，ハックのテスト
キットの方が公定法との相関は高いです。
学生実習テキストをWEBで公開していますので，よかったらご覧く
ださい。URLは，
http://www.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/labometh.htm
です。
小倉紀雄「調べる・身近な水」ブルーバックス，1987年（1200円）
は手頃な入門書と思います。市民参加の水質監視という意味では，
読みやすい本としてお薦めします。河川水などの信頼できるデータ
を蓄積するという意味では，採水方法などがきちんと書かれている
新井正「水環境調査の基礎」古今書院，1994年（2575円）も参考に
なります。小倉さんの本の巻末に，その他いろいろ参考文献となる
ものや，測定キットの連絡先なども載っています。
ご参考まで。
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Minato Nakazawa, Ph.D. <minato@sv3.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Department of Human Ecology, Univ. Tokyo
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