初めまして。一ノ瀬と申します。
前田@アースバグ号さん[1040]<
10/10ごろのJチャンでも、ホームレスを危険な原子炉のふき掃除に斡旋していたこ
とを取り上げていました。
>
”危険”という形容は、原子力を語る際の、一種の枕詞の様になっていますが、実
際にはどの程度危険なのでしょうか?
作業員の被曝量が分かれば、健康への悪影響を推定することは容易です。
でも、実際には、被曝量を調査することすらなく、”危険だ!”と騒いでいることが多
いように思います。
ふき掃除の話にしても、調べに入れば、誤魔化し様はないはずです。
が、調べて報道された形跡がない。
東海村の臨界事故の際には、被曝量については大量の情報が流されましたが、
肝心な、「被曝量−健康リスク」の関係が殆ど報道されませんでした。
これでは、徒に人々を不安に陥れるだけです。
1シーベルトの急性被曝による相対リスクは、非被曝者に対して
白血病:5〜10倍
肺ガン:1.5倍
白血病を除く全ガン:1.3倍
程度です。
これに対して、喫煙者の発ガンリスクは
喉頭ガン:30倍
肺ガン:4倍
全ガン:1.65倍
であって、正確な比較ではありませんが、1シーベルトの被曝と同程度の危険度です。
臨界停止作業を行った作業員の中で、被曝量が最も多かった方で0.1シーベルトで
すから、喫煙の10分の1程度のリスクしか負っていないことになります。
このように、実際に数字を追ってみると、私達が日頃抱いているイメージとは全く違
った結果が出てきてしまいます。
日本は、世界唯一の被爆国であるが故に、被曝と人体への健康被害に関する、直
接的なデータを豊富に供給しています。
が、私達日本人は、折角のデータに対して、あまりにも無知ではないでしょうか。
*参考資料:
・被曝の発ガンリスク
「人は放射線になぜ弱いか-第3版」(近藤宗平 講談社BlueBacks)p.75
・喫煙の発ガンリスク
http://wwwinfo.ncc.go.jp/statistics/japanese/tables/t09_j.html
(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。