[BlueSky: 1025] : 臨界事故 - 原子力発電のコスト -


[From] Kimio OTSUKA [Date] Thu, 21 Oct 1999 20:41:33 +0900

大塚(さっきの続き)です

 JCOの手抜きは価格競争との絡みで生産性を上げるためのものだっ
たようですが、これは、「原子力発電は経済性が高い」という宣伝と、
原発の安全性についてよく挙げられる、「高い安全率や多重防護」が本
当は両立していないことを意味すると思います。

 今回の事故にまつわるコストはJCOとその親会社に負わせることになり
そうです。法あるいは行政手続き上は正しいのかも知れませんが、これ
も原子力発電のコストとして電気代に反映すべきです。


 今回の事故では、原子力に携わっている多くの方々が、「なんてむち
ゃくちゃなことをしてくれた」と歯がみをする思いをされたことと思い
ます。
 トラブルが起こるたびに原子力産業は叩かれ、「労多く、国民が使う
電気の3-4割を生産しているのに評価されない」職場となり志気が下がっ
ているのではないでしょうか。
 原子力発電とその周辺の職場で働いている人たちが受けた教育のレベ
ルやその人たちの待遇は知らないのですが、危ないものを使って我々に
必要なエネルギーを生産しているのですからそ、れなりの評価と処遇が
必要だと思います。
 今回の事故の作業員の方々はほとんど研修を受けていなかったそうで
す。自分たちが扱っているウラン溶液がどのぐらい集まれば臨界に達す
るかを大まかにでも計算できるような人が、その能力と危険性にあった
処遇を受けて従事していれば防げた事故かもしれません。というかその
ような人は違法マニュアルには従わないと思います。
 今は、危ないことはしばしば下請けの、あまり教育を受けていない労
働者に押しつけられているのではないかと心配です。このようなことで
原子力発電の経済性が支えられているのであればそこから改善すべきだ
と思います。->詳しい方、情報をお願いします。


 とりとめがなくなってきましたが、今回の事故とその後の状況を見て
思ったことは、
 実効性のある監視システムの構築を含むシステムの抜本的な再構築を
し、リスク(「絶対安全」等と言うことはありえないので)をオープン
にして、それら(廃棄物の管理も含む)のコストを電気の利用者が負担
するようにすべきだ ということです。
 その結果、原子力は割に合わないということになれば今後は原発はや
める方向へと進めればよいのではないでしょうか

大塚公雄
東京医科歯科大学


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