[BlueSky: 1011] Re:1004 環境社会学会


[From] Taisuke Miyauchi [Date] Wed, 13 Oct 1999 19:28:40 +0900

はじめまして。

宮内泰介@北海道大学と申します。開発社会学・環境社会学を専攻しています。
中澤さんの紹介で少し前にこの MLに登録させていただきました。

> (その他、所沢のダイオキシンで一躍有名になった青山貞一さんや北大の先生が報告されていまし
> たが。それは割愛します)。

と溝内さんに割愛された(^^)今回の環境社会学会の報告者の一人です。

環境庁の寺田さんが報告された新しい環境アセスの理念をめぐって少し議論があ
るようですが、私の受けた印象は、以下のようなものです。

寺田さんの説明された現在のアセスの力点は、溝内さんが [BlueSky: 992]で正確
にまとめてらっしゃる通りで、よりまっとうなアセスとして評価できるものです。
で、問題はこの先だと思うのです。(1)「絶対的に守るべきもの(規制法の範囲)」
が日本の場合十分なのか(これが十分でなければ元も子もない)、(2)その事業
自体への住民の権利はどこで保証されるのか。

(2)の部分が、私も含めて残りの2人のパネリストが論じたところで、それはア
セスの範囲ではないとたぶん寺田さんは(環境庁は)おっしゃるわけですが、そ
れはそうとして、じゃあどこで保証されるのか、という問題は相変わらず残って
しまう。ここがやはり問題だということです。

寺田さんが主張されていた通り、藤前干潟などの例は、アセス云々以前の話で、
アセスで計画が止まるというたぐいの話では本来ない(あってはいけない)。じゃ
あ何なのか、がアセス以前に(アセス法以降に)論じるべきところだと思います
(ということで少し私も論じたわけですが)。寺田さんはそこに関しては、「議
会制民主主義」を言うのみで、会場にもその点不満が残ったように思えました。


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宮内泰介
miyauchi@reg.let.hokudai.ac.jp
http://reg.let.hokudai.ac.jp/miyauchi/



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