[BlueSky: 97] 森と木の関係(部分と全体、個別性と普遍性) Re:[BlueSky: 96]


[From] Ken Goto [Date] Thu, 15 Jul 1999 15:00:15 +0900

横山和尚、MLの皆さん

後藤@帯畜大です。

和尚【96】:
> Ken Goto さんは書きました:
> >複雑学を待つまでもなく、人間の知的能力(ないしは予測力)には限界がありま
> >す。例えば、どんなに科学が進歩しても、生物進化の具体的な道筋は、誰にも予
> >測できません。どの男(個人)とどの女(個人)がカップルになるかだって予測
> >できません。
>
> 愚僧の拙文を引用していただき恐縮です。
> 複雑学を志向していて気づいたことですが,複雑な現象の具体的な実像や未来に
> ついて考えれば考えるほど「普遍性」からは遠ざかります。多くの場合,個別具体的
> でその時一回限りの真理と言うことです。

まさにその通りですね。

> ですから,後藤さんが考えられている様な,環境への働きかけに関する合意形成
> の問題についても,ある程度以上接近した後は普遍性は無く,個々に考えた方が
> 実りがある議論ができると考えます。

この辺りは、もうちょっと微妙な感じがします。「個別具体的」であることはま
さにその通りなのですが、「なぜ個別具体的なのか」という点では、普遍的なも
のがあるでしょう。その普遍性を理解しているのといないのとでは、「個別具体
性」に対処するスタンスが異なってくるように思うのです。

例えば、アデニンとチミン、グアニンとシトシンというDNAの塩基対複製の忠
実度が、「熱力学的必然、熱的ゆらぎのために」100%にはなりえず、だから
こそ突然変異の具体的内実(個別具体性)は偶然的に決まります。この命題は
「普遍」ですが、この普遍的命題の中に「個別具体性」が正しく位置づけられて
います。別の観点からすると、森と木の関係、というか。どっちもみていかない
といけない。

> 試しに,身近にある環境問題をML参加者から募集し,実名がまずければ仮名にする
> なりして具体的に各人の意見を聞いてみたら如何でしょうか?その上で,このMLでの
> 結論を出してみるのです。
>
> NPO「青空環境問題(勝手に)シンクタンク」構想なんて面白いと思いますが・・・・
>
> 私,また変なこと言ってます・・・・?

はい、とっても変です。


なんて、嘘。面白い御提案、誠に有り難うございます。

後藤 健
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生命を考える http://www.obihiro.ac.jp/~rhythms
帯畜大 生物リズム学 Phone (& Fax): 0155-49-5612


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