大塚です
東海村の事故には暗澹とした気分になります。
被爆した方が重症に至ったというのは原発関連事故としては国内初だ
と思います。
原発が不安という際には原発そのものに対する不安ばかりでしたので、
付随する工程を担う工場での事故には自分の想像力のなさも同時に思い
知らされました。
原子炉の外で「臨界」というのも少なくとも日本では広島・長崎の原
爆以来でしょう。
報道からの印象では、チェルノブイリのように放射性物質が大量にま
き散らされているのではないように思えました。チェルノブイリは原子
炉に以前からたまっている放射性物質も爆発で放出されたのですから、
今回の事故の「通常は2.4キロ分が入った溶液のウランを硝酸に入れ
ているが、この日は7倍近い約16キロ分」というのが事故に関わった
ウランのすべてでありこれ以外に放射性物質がなかったのであればチェ
ルノブイリより何桁も小さい放射能なのではないでしょうか?
私の物理に関する知識は大学の教養レベルにも達していないので、詳
しい方のフォローをお願いします。
10Km以内の「屋内避難勧告」は野中官房長官の言う、「後からは『過
剰だった』と言われるかも知れないぐらいの、大事をとった対策」(表
現が違うかも知れませんが、だいたいこんなニュアンス)のようだと私
は感じました。
それにしても、事故から通報・住民への広報等までのタイムラグが大
きく、その後も市町村への連絡があまり届いていないようなのは困りも
のです。原子力開発に何十年も携わっている地域でこんな調子では他の
「原発銀座」での事故に対する備えもお寒いものなのでしょうか?
朝日新聞社のページに参考になりそうなことがありましたので
引用します。
http://tokyonet.asahi.com/0930/news/national30041.html
記事の一部であること、記事そのものが参照文献に依っていること、
情報を共有する価値が高そうであることから引用します。
(前略)国の防災対策の指標などによると、周辺住民が注意すべきこと
は、次のような点だ。
●自宅などの屋内に退避する。その際、玄関や窓などをしっかり閉め、
気密性を確保する。
●乳幼児、児童、妊婦は特に放射線の影響を受けやすいので、コンク
リート製の建物に退避した方がいい。
●皮膚はなるべく露出させない。屋外に出るときは、口をハンカチな
どで覆う。
●雨にぬれないようにする。屋外では、ビニールの雨がっぱなど、気
密性の高い服を着る。
--------------------ここまで
これを読むとのんびり蒲団など干せないことになりますし、事故後す
ぐに連絡が回らないと、屋内の安全性が著しく下がるということになり
ます。
被爆された方々が早く回復されることを念じつつ
大塚公雄
東京医科歯科大学
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