[BlueSky: 927] Re:921 自転車の町


[From] "nobuko" [Date] Tue, 21 Sep 1999 02:55:51 +0900

青空MLのみなさん、こんにちは。つくばの田村です。
中澤さん、いつぞやは,「21世紀の社会と科学技術を考える懇談会」の意見募集に
ついて教えてくださってどうもありがとうございました。私もさっそく意見を書き
ました。お礼がおそくなって申し訳ありません。

「自転車の町」たいへん楽しく読ませていただきました。古河市長の話も。
市長が、「自転車を使うことは、自動車の利用をいかに抑えるかということと表裏
一体である。」といってましたが、まさにそうですね。あんなに手軽で便利な乗り
物なのに、自動車のおかげで地域によっては一番危険な乗り物になってしまってい
るのではないでしょうか。

ところで私はつくばにすんでいますが、ここへ越してきていちばんうれしかったこ
とのひとつは、この町の中心部には歩行者と自転車の専用道路「ペディストリア
ン」が整備されていて、車と関係なく移動や散歩ができることでした。これは信号
はないし(車道と交差するときはその上または下を通っています)、車の騒音・排
気ガスからも逃れられます(もちろん完全ではありませんが、豊かな街路樹がある
程度遮断してくれます)。私は以前、日本一車の保有率が高いといわれた群馬県に
長く住み、いつも車を恐れ、気にしながら歩くしかない生活をしていたので、本当
に画期的なものでした。このぺディのおかげでしょう、職場まで自転車通勤をして
いる人も多いです。(でも横山さんはたしか何キロもの道を徒歩で通勤していらっ
しゃるんですよね。すごいですねえ。)

一方、幹線道路はどこまでもまっすぐで4あるいは6斜線、中央分離帯もひろく
て、つくば研究学園都市は人にも車にも理想的であるかのように思いました。

しかし、このような都市は、「そこに住む人々にとって、実に住みにくく、また文
化的にもまったく魅力のないものである」という批判があることを、あるとき知
り、目の覚める思いがしたのです。あの、名著『自動車の社会的費用』で25年も
まえに自動車社会を痛烈に批判した宇沢弘文氏の『ゆたかな国をつくるー官僚専権
を超えて』(岩波書店)という著書の中に「都市を考える」という章があり、そこ
で氏はつくばや大阪の千里ニュータウンのような街は20世紀の都市づくりの日本
における代表のようなものだが、結局くるま優先で「人間」を中心とした街ではな
い、と述べていました。
そして、住みやすく、人間的な魅力をもった街にするには「都市の道路は必ず狭く
て、折れ曲がっていて、一つ一つのブロックが短くなければならない」ことを条件
とした「ジェイコブズの都市」を紹介しています。東京の昔の下町のようなイメー
ジでしょうか。「ジェイコブズの都市」は他にも古い建物ができるだけ多く残って
いるとか、いろいろと特徴があって、氏いわく「地球温暖化という点からも非常に
望ましいものとなっている」ということですが、長くなるので詳しくは書きませ
ん。

私は車が歩行者のわきすれすれを猛スピードで走るような街よりは、それでもつく
ばのほうが断然いいと思うのですが、この「ジェイコブズの都市」が都市づくりの
計画に反映されれば、中澤さんの構想も実現しやすくなるのではないでしょうか。
道が折れ曲がっていたらスピードは自然と下がりますしね。


> 都市に入るところで積み替えをすれば良い,ということです。
積み替えより、鉄道のコンテナをもっと利用したらどうでしょうか。自動車の利用
を減らすもう一方のカギは鉄道利用だと私は考えています。自動車は確かに便利で
すが、もし鉄道のほうが格段に安く運べるなら人も物ももっとそちらを利用するの
では?帰省で一家4人が遠距離を移動するときなど、いまのJRはあまりにも高す
ぎます。


> 位置づけとしては,従来の自動車をリプレースするものなので,
> 免許は必要です。この点と,最高速度制限の2点において,
> 道交法は変えなくてはいけません。
20キロ制限だとほとんど自動車のメリットが失われる感じですね。そうなった
ら、車の量は減るでしょうか。もし減らずに車がみんな20キロで走ったとしたら
・・・。ちょっと怖い風景ですね(笑)





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