[BlueSky: 907] Re:896,884,824 「人間中心思考の排除」の考え


[From] GENNGOROU@aol.com [Date] Mon, 13 Sep 1999 13:46:30 EDT


皆さま,こんにちは。。

              ゲンゴロウです。

きょうは,
「保護という意識は人間中心思考から生まれている
 のではないだろうか・・」という意見を申し上げます。
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私は新聞やテレビなどで環境保護とか自然保護という言葉
を聞くと,いい響きを感じていましたが,いま,疑問を感
じ始めています。

今,私たちを含めた現在の自然環境を急速に変化させてい
るのは,明らかに人間です。自然を擬人化して人間と対立
させてみると,自然は人間にこう言っているように思いま
す。
「自然保護だって,自然を守る??ふざけんなよ!こんな
目に遭わせておいて,保護なんかしなくていいから,お前
らは減速すれば,それでいいんだ!」と。。。

私たちに「保護」という言葉を使わせているのが,私たち
の無意識の脳の中にある「人間中心思考」だと私は思うの
です。私たちは万物の中に含まれているだけで,けっして
特別な存在ではないと私は思っています。

私たちが特別に見えるのは,人間の思考にある中華的な思
考のせいかもしれません。あるいは,特別な存在に見える
のは,自然に対する人間の影響力を見間違えてかもしれま
せん。

 私たちも含めて生物はその時の環境に適しているから生
存しています。自然の構成物は物質や生物などですが,物
質は隆起,浸食で変化し,生物も変化してきました。その
ため自然も自ずと変化した。
両者の変化が生じるのは,生物や物質が自然の構成要素の
一つであることから相互に変化が進んでいるのでしょう。
相互影響として,自然が変化すれば存続した生物には変化
が起きて,その変化で自然全体もまた自ずと変化して行く
といった繰り返しです。

生物が自然の構成要素(不可分)であるということからこ
れは当然のことだと思います。そして人間も生物ですから,
その相互変化の中にあります。

しかしながら,この人間という生物には,他の生物にはな
い生態があるようです。(二つの例を)

○人間という生物は今を生き残る為だけではなく,未来が
 創造できてしまう為に,そしてその見える能力が,危険を
 予測し以前に対処する為に備わったがために,見える現象
 は不安材料ばかりで,それにことごとく過剰的な対処を始
 め,環境を大きく変化させてしまうようです。

○また,人間はそれだけでなく,その不安をまるで癒すよ
 うに快楽のために周囲を変化させることもするようです。
 心地よい環境,楽が出来る環境を作り上げるために環境は
 大きく変化してしまうようです。それが利便性,清潔環境
 のように思えます。それが求められるから,需要が生まれ,
 商売が生まれます。そして経済が生まれ,経済的思考から
 効率性が求められ,そこに至っては環境変化を念頭にいれ
 ない行為が行われてしまっているようです。

つまり,自然という全生物の相互変化は,ある生物の変化
によって簡単にその変化速度を増してしまいます。
私は現在の環境変化を見て,人間が行わなければならない
環境対策は,保護ではなく自嘲ではないかと思うのです。

自然の変化速度を増しているのが,我々なので我々さえ,
自嘲すれば,それで十分なのではないかと感じます。
また,自嘲しなければいくら保護しても決して追いつかな
いほど環境変化の速度は上がっているのではないでしょう
か。。

今,私は,図書館から借りてきたドーキンスの書いた利己
的な遺伝子をパラパラと読んでいますが,その中に,生物
遺伝子(ジーン)と文化遺伝子(ミーム)があります。
このミームという考え方を借りて説明すると,環境変化を
ここまで加速させているのはミームかもしれません。

このミームですが,私としてもミームが遺伝子と呼ばれて
いるからには人間の個々人の思考をはるかに越えた現象を
人間に与えると感じしまいます。人間は,このミームとい
う社会や環境を加速度的に変化させ人間自身をも苦しめる
遺伝子の存在を認識し,これに対処しなければならないの
ではないかと思います。それが人間の知恵なのではないで
しょうか。
私が「人間中心主義の排除」と言っているのは,ある意味
で人間の中にあるミームへの対処をさしていたのかもしれ
ません。

クローンを作りたいのも分かります。臓器移植をしたい気
持ちも分からないではないです。焼き畑も生きるためには
必要ですし,経済を立て直したい気持ちも分かります。
しかし,それらを行うと明らかに急速な環境変化という副
産物が私たちに降りかかるようです。

長々と書きましたが,とにかく私には,環境保護という言
葉自体が「人間中心思考」に思えてなりません。そして,
どなたかが言っていたように,人間と自然の関係をどう捉
えるかによって,大きく対処方法が違ってきますので,
保護か自嘲かで,その政策,対策,規制が根本的に違って
くるように思えてなりません。

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話は変わりますが,今,日本は構造変化のためか,かなり
の経済不況のようです。
私は,この原因には,構造変化の過渡期という事だけでは
なく人々の気持ちの変化の影響が大きいように思えます。

○将来の不安感から人々が貯蓄を始めたため。消費が減速
した。(漠然とした将来不安)
○家庭のゴミ(粗大ごみ)が安易に棄てられなくなり,庶
 民の購買意欲に影響を与え,購入が減速した。
 (フンづまり現象)
○若者達を含めて,経済主義に疑問を抱く者が現れており,
環境を無視した経済中心に回転する社会への参加が消極
的になってきた。(ミーム遺伝子の生存競争)

これらは,ミーム(文化的遺伝子)として存在を始めている
かもしれません。すでに,庶民は自分が自然に対して保護
者であるよりも,加害者であるという意識を漠然と持ってい
るように思えます。
もしこの考え(ミーム)が遺伝すると,それもまた危険な
ことかもしれません。性急な減速はやはり急激な環境変化
をもたらしますので,この経済減速思考の遺伝も考慮に入
れ,緩やかな永続的な減速をしながら経済も社会も維持で
きるような方策を考えるべきではないかと思います。

政府は,経済を活性化させるためにごみ問題を解決しよう
として,ダイオキシンを発生させない高温度焼却施設をた
だ作ろうとしているように思います。それはそれで良いよ
うに思いますが,人々が活性化すると再び加速が起きると
いうことで,加速に対しては減速という対処が一番大切な
のではないでしょうか。急激な減速に対してはまた加速と
いう対処も必要なことは言うまでもないことです。

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またまた,私は具体的な方策を考えられませんでしたが,
その具体的な方策の方向性も私には定まっていないため
とお考えいただき,お許し下さい。

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ゲンゴロウ。。




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