[BlueSky: 905] Re:756 「理解する」ことと「感じる」こと


[From] "kurita siro" [Date] Mon, 13 Sep 1999 22:20:23 +0900

林@さん           識@です。

レス、遅くなってすみません。

> 佐野エンネさん。
控えめの先生とのことでしたから、 記憶にとどめられている方も多くはないようで
すね。

> すみませんが、大変興味があるので、この方についてもっと教えて下さい。

わたくしも詳しいことは存じ上げませんが、1901年ケルンにお生まれになり、幼
少期はハノーファで過ごされたそうです。成人後はベルリンのヘラスベルク古書籍教
会にお勤めになり、1933年に縁あって2年間の約束で京都に新設された日独文化
研究所に請われて来日されたそうです。翌年、神戸の大学にお勤めの佐野さんと結婚
され、以来ずーと日本に住まわれた方です。
詳しいことは、佐野えんねさんがお書きになったものや講演録をお嬢様がまとめられ
たご本、「日本に住むと日本のくらし」(樹心社、1988、¥1600)をご覧く
ださい。
文中から-----
「言葉はふしぎなものです。ふつうにつかうと、ただいつの間にか、人の口からなが
れ出て、人の耳に入ってしまいます。べんりな、たがいのしらせのどうぐであるだけ
ですが、時どき、だれかのいう言葉の仲に、玉のように光るものがあって、それは何
代もの人間の経験、大ぜいのひとのかんがえたことが、その一人の人の言葉に結晶し
たのです。」
「-----いま、五十年あまりもこの自分の生まれ育った国と対極にあるような世界に
住みつづけた後に、私がようやく悟らされていることは、一人に人間の中に、生まれ
育った国の気候や風土、民族のたどってきた遥かな歴史の経過などが、どんなに根強
く働きつづけ、どんなに深い痕を刻みつけているか、ということです。」

わたくしの感性をやさしく揺さぶってくれる本です。

>林さん(672)
>しかし、現在インディオの置かれている状況は、悲惨です。

このメールを拝見してから、ブラジル先住民のことが気になりだして、レヴィ・スト
ロースの「悲しき熱帯」を読みふけってしまいました。
川田順造さんが1984年にナンピクワラ族を訪ねた折のレポート「追いつめられた
野生の人々」も読みました。
インディオ局(FUNAI)も土地開発局(INCRA)も森林保護局(IBDF)も、所詮は侵略者
としての庶政しかできないのでしょう。
どなたかがおっしゃっていた、”資源としての環境” の悲惨な簒奪が続いているの
でしょうね。
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shisuan@msf.biglobe.ne.jp




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