[BlueSky: 834] Re:816 コミック版「ナウシカ」


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 9 Sep 1999 10:50:09 +0900

広木さん、ゲンゴロウさん、皆さん、こんにちは、葛貫です。

>コミック版は、ストーリーや世界観など、アニメとは比べ物にならないほど深いです。
>機会があったら一度読んでみることをお勧めします。


コミック版、全般を通して、ナウシカが発していたメッセージが、
「こわくない、こわくない、ほら、こわくない。」であったように私には感じられました。
他の登場人物は、潜在的な恐怖や、満たされることのない飢餓感を持っており、
そのために争わずにはいられないところがあったように思われました。

私には、今の社会は不安や恐怖をエネルギー源にして動いているように感じられます。
起こるかもしれない(起こらない可能性もある)ことに対する恐怖感や、
今現在は多少不自由をしても、「将来のため」といって、抱え込み、貯えようとすること、
いくら貯えても、これで十分だ(十分とはいえなくても、こんなものだ)と思えない飢餓感
は、生残るためにヒトが持っている本能的な情動なのでしょうか。
それとも、ミーム支配のものなのでしょうか。
何らかの規制によって緩和できるものなのでしょうか。
規制しても(規制するほど)、密かに隠れて貯えたくなってしまうものなのでしょうか。
もし、ヒトの行動パターンを変えるとしたら、教育、賞罰等により、ミーム支配の部分を
使って行くしかないのだと思われます。

「もののけ姫」に宮崎さんが込めたメッセージは「生きろ!」であったように記憶します。
ヒトはヒトである自分というフィルターを通してしか、ものごとを見ること、考えることが
できないのだと思います。様々な解釈をつくり出すことはできるけれど、本当のことや
全体は知り得ない、正しさの保証は、得られないのだと思います。
せいぜい良くって自分なり、その時代、その文化なりの正しさを生きることしかできない
のだと思われます。間違っていたことがわかった時に、過去に固執せず変化を受入れ
ることができれば、それで十分なのだと思われます。
正しさの保証を求め続けることは、試行錯誤を避けることと同義で、ある意味では、
生きる勇気を持っていないということなのかもしれないと思いました。

Y.Kuzunuki <kuzuny@geocities.co.jp>





▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。