[BlueSky: 785] Re:771 共有地の悲劇:乱獲、外部性、利子率


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Mon, 6 Sep 1999 23:57:47 +0900

こんにちは、小宮です。ながみつさんの例は非常に的を
ついていると思いました。

◯ながみつさん
>1)乱獲(共有地の悲劇)
>「この砂おまえのもんやねーやろ、ちっとぐらいとったってええやんか。
>よその社にもわからへんし、おかみからクレームつけられたこともあらへん。
>うちも借金かかえてくるしいんや。がんばってかせいで何がわるいんや」

>2)外部性
>「なに、海水浴できへんかてええやんか。
>砂あそびなんて、女子供のすることや、一銭にもならへん。
>なに、砂浜の生き物やて。そんなもんおまんまのたしにもならんやんか。
>うちの会社、うちの業界の景気がええから、おまえらええ暮らししとんのやろ」

>3)利子率
>「あのな、砂とってもうけて、仲間の建築屋にいれこんだらな、
>株があがりよって、1年で3倍になりよった。たいしたもんや。
>ほんでな、砂浜の砂が3倍になるのに何年かかりよるんや。
>おんどれこたえてみい。え、100年。
>ぼけぇ、そんなんで商売やっとれるか」
>
>とほざいている関西の業者さんをどのように説得したらいいでしょう。
>(より適切な関西弁についての助言もおまちしています)

以前僕は [BlueSky: 103] で、「自然環境に関わる土地利用の問
題においては、まずは倫理的問題を第一に考えるべきであって、
人間に利益をもたらすかどうかというものを論理やデータに
よって推し量るべきではない」という発言をしましたが、今まで
いろいろな方の話を伺ってきて、それでは問題は解決しない、
と思うようになりました。倫理観、というのは人様々なので、
倫理観のみで他社を説得することはできないのでしょうね。
この例でもそれがはっきりと分ります。もし説得するならば
環境に及ぼしている影響や、その利害や損失のデータを明示し、
また、それらによって何らかの規制を引くことが必要なのかも
しれません。


#以下余談

ところで… 上の話って「砂」というのを「金属」とか「エネルギー」
に、「業者」というのを「企業」に置き換えたら、まったく僕の話
になってしまうんですよね(僕は兵庫県で半導体エンジニアをやって
います)。鉄やシリコン、とかいうものが後どれくらい採掘量が
あるかは知りませんが、少なくとも使い放題に使えるような状態
ではないと思うし、産業廃棄物や化学物質で、どれだけ生態系を
破壊しているか分らないし。もし電気会社が環境破壊の槍玉に
上げられたら、半導体を作ることで資源の枯渇や環境破壊を招いて
いると非難されたら、例え他社が撤退していなくても、首を覚悟で
資源の搾取をやめるように社長に直訴したり、環境破壊に手を貸す
のを拒んで自ら会社を辞めたりできるのだろうか?
(いや、たぶん無理だろうなあ。恐らく上の関西の業者と同じことを
いうような気がする。)

------------------------------
yuichiro komiya (小宮祐一郎)
e-mail:can32960@pop07.odn.ne.jp


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。