池田さん 識@です。
フライブルク便り、興味深く読ませていただきました。
部分的な感想で恐縮ですが、感じたことを書きます。
池田さんwrote
> 日本人の持っている自然に対する「感覚」について、何人かのドイツ人から質問を
> 受けたこともあります。西欧人が、虫の泣き声を聞いて、本当に、「雑音」や「騒
> 音」としか感じないかどうかはわかりませんが、彼らが、日本人の「感覚」に興味
> を持っている、記事にもなっている、ということは、この「感覚」が、西欧人が持
> ち合わせていない、「独特のもの」ということではないでしょうか。
確かに、「独特のもの」というのはその通りかと存じます。
ただしこれは、条件付の「独特なもの」ではないかと思いました。
つまり、人々の生活している自然環境の違いを反映した「感覚」の違いで、日本人と
西欧人のもつ生得的な違いではないのだろうと思うのです。
と、申しますのも
ケルンにお生まれになり、1933年に京都の日独文化研究所の講師として来日され
て以来、1995年にお亡くなりになるまでずっと日本に住まわれた、元愛知大学教
授の佐野エンネさんが「ドイツの季節は4つだが、日本の季節は4つではなく12あ
ります。月ごとに自然の色が変わり気分がかわる」「近頃の日本人にはこのうつろい
を忘れている人が多い」と、何か(多分、朝日新聞の文化欄)に書かれていました
し、フランスのレヴィ・ストロースも「風景の多様さは、杉の木、竹、茶畑、水田と
いうようないくつかの規則的な構成要素からから生み出されていて、それは濃密かつ
豪奢な美しさである」というような意味の回想をされていたからです。
個々人の感受性の違いはむろんあるのでしょうが、外国の方も日本の自然環境の中で
暮らされれば、同じような感じ方をするようになるのではないでしょうか。
当然のことですが、この逆もあると思います。
大分粗雑な穴だらけの感想になってしまいました。
shisuan@msf.biglobe.ne.jp
(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。