[BlueSky: 73] Re: モノと時間(日本人は金持か


[From] 栗原 智昭 [Date] Mon, 12 Jul 1999 22:17:11 +0900


後藤@帯畜大さん

>
>貧乏暇なし、という言葉もありますね。結局、現代日本人は金持になったと思っ
>てるけど、本当は、まだまだ貧乏であるのに違いない、と僕なんかは思っていま
>す。モノを買える力をもつことは、それ自体としては本当の経済的富なのではな
>く、その購買力をどのようにしてもつにいたったのか、という点まで考慮しない
>といけない。
>
>通勤電車に揺られて、企業戦士となって会社のために一生懸命働いて、リストラ
>でポイですから、、、。狭いながらも我が家は建てましたけど、アメリカの中流
>に比べれば、雲泥の差以上の格差があります(無い物ねだりはしちゃいけません
>が)。でも、国家指導者は、明らかにこうした貧しさを奨励せずには、高度経済
>成長を達成できなかったわけです。


(これは「レス」というより、上記の一節からふと思い起こした土産話です。読み
物です、読み物!)



アフリカのマラウィという貧しい国で3年間暮していました。
こういう国に住む現地人、そして外国人として滞在している僕たち日本人から見た
「日本」という国は間違いなく世界有数のお金持ちの国です。

これは不況だなんだといっても、揺るぎ無いなでしょう。

え?失業率が5%?たった5%?!すごいじゃないですか!

テレビの「難民」とか「内戦」のイメージと違って、実際のアフリカの国々の多く
は貧しいといったって、街角に餓死者が転がっているわけではありません(そうい
う国や地域、またはそう言う時期があったかもしれませんが)。でもお金が無くて
今日の食事に困る人たちは沢山います。仕事がない人、仕事があっても給料が出な
い人、何らかの事情で働けない人、最初から働こうなんて考えていないひと、いろ
いろです。どこに行っても物乞いが寄ってきます。

農村では、女たちが水が入ったバケツを頭に乗っけて何キロも歩いている。裸足
で。そして布を丸めたボールでサッカーに興じる子供たちの夢は、きっとサッカー
リーグの選手になって、お腹一杯食事をすることだろう。男たちは真昼間から密造
酒で酒盛りだ。

こういう国に対し、援助だ、支援だ、と何万ドルとかいう単位のお金をぽんと出し
て、欧米のように口をださないなんて!なんて気前の良い国なんでしょう!!きっ
と日本には金のなる木が生えているに違いない。



 そして3年ぶりの日本。確かにホームレスは増えたかもしれません。でも乞食や
物乞いはいないね。街行く人はきれいな服を着て、靴をはいて、ぴかぴかの車に
乗っている。電車は時間通りに走っているし、テレビのチャンネルなんて覚えきれ
ないや。お店に行けば、なんでも売っている。馬鹿みたいに高いけど。

 コーラが1ドル、タバコが2ドル!軽いランチをとったら5ドルも取られちゃっ
た!!!!電車でうろついていたら10ドルくらいあっという間ですよ。アフリカ
じゃ一ヶ月400ドルで楽に暮せたのにな…。こんな国で生活できるなんて、日本
人って本当にお金持ちなんだね?


 え?生活は厳しいって?そっか、何日くらい食事してないの?そんなに苦しいな
ら今身につけているそのスーツと靴と腕時計を売ればいいじゃない。なに?車の
ローン?マンションのローン??あっそーですか!!!



 僕は帰国後、事実上の失業者。でも怖くない。だって、この国ではいまのところ
餓死することはまずないでしょう?

 世間体とか見栄とか、リッチなディナーとかカッコイイ車のために生活が苦しい
と言っている人たち、そしてそのために共働きをして子供をほったらかしてスポイ
ルしている人たち、次の旅行はアフリカにでも行ってみませんか?


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栗原智昭<KURIHARA, Tomoaki>   福岡県春日市
e-Mail <tomo.kurihara@nifty.ne.jp>
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