[BlueSky: 668] Re:661 :共有地の悲劇


[From] suka@nacri.pref.nagano.jp (SUKA, Takeshi) [Date] Mon, 30 Aug 1999 18:20:15 +0900

広木さん みなさん
           須賀です。

広木さん、面白い問題提起、ありがとうございます。わたしは自分をヒューマニスト
だとは思っていませんが、環境問題は人間の活動やそれをささえる社会がうみだした
ものですから、環境問題について考えるには人間の活動やその社会に焦点をあてなけ
れば「現実的」な解決の方向をみいだせないと思っています。その意味でたいへん
興味深い問題提起だと思いました。

広木さん:
> いわば環境は、総ての人間が共有する「財産」なのです。そこで、その財産に、どれ
> だけ投資し、どれだけ収穫を得るか、その収支のバランスが、人間個人間の「かけひ
> き」になります。
>
> ちょっと例え話をしましょう。皆さん、税金は高い方がいいですか?安い方がいいで
> すか。それと、公共料金はどうですか?

広木さんは、税金と公共料金を例に「共有地の悲劇」について説明されました。これ
は尺度が「お金」ですから、「損得」がわかりやすいです(だからこそ、これを例に
とられたのでしょう)。でも、環境問題をふくむ実際の人間社会のできごとでは、こ
のように「損得」がかならずしもはっきりしない場合が多いのではないでしょうか。

たとえば、一見「友愛」とか「ヒューマニズム」にのっとったようにみえる行動を
とった方が(もちろん本心からそう思ってやってもいいのですが)、(ことばは悪い
ですが)「利己的」な観点からみても結局自分にも他人にも得になる、というような
場合が、人間関係では結構多いのではないでしょうか。実際、そうした活動は楽しい
し、快感をともないます。このようなお答えは、広木さんの問題提起のポイントを
はずしたことになるのでしょうか?


Takeshi SUKA
Nagano Nature Conservation Research Institute (NACRI)
E-mail: suka@nacri.pref.nagano.jp



▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。