[BlueSky:06674] 海流発電 他


[From] 荻野 行雄 [Date] Sun, 6 May 2007 18:40:31 +0900

 久しぶりに投稿します。
 以下は、前に議論いただいたものも多いのですが、私の住む宮崎県を起点にして、今後取り組まれるべきことを、検討してみたものです。
未来を守るためには、これを実現するしかないと思いますが、いかがでしょうか。

 発酵と腐敗については、ちょっと自信がなかったりもしますが・・


宮崎県綾町尾立 荻野行雄

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●海流(黒潮)発電の開発

 石油エネルギーによる環境問題を解決し、世界と宮崎の未来を切り開くために、世界有数の海流=黒潮のエネルギーで発電、さらに海水を電気分解して水素を取り出し、活用する技術を開発、新エネルギー体系を確立する。
 深海中で発電できれば、周辺の生態系、また、漁業など人間活動に対しての影響もほぼ無くすことが可能である。津波にさえ対応できれば、海底火山もピンポイントの問題であり、ほとんど災害に左右されないと考えられる。

 海流は、風力などより桁違いに強力で安定したエネルギーの流れである。
 黒潮=日本海流は、幅100km 深さ1km 長さに至っては数千km、日本列島を縦断してもなお余りある規模であり、その潜在エネルギーは、無尽蔵といえる。世界のエネルギー需要全てを賄っても十分対応できるだろう。
 高知沖辺りからは大きく蛇行することがあるが、台湾から沖縄、トカラ列島、日向灘までは比較的流路も安定しており、安定的な発電を行える適地が多く存在していると考えられる。
 今後エネルギー需要の急速な伸びが予測される中国に対しても、沖縄沖から直接に供給できる。
 海峡部も潮流が強くまた安定する場所であり、北海道周辺にも適地が相当存在するものと思われる。

 水素は、ロケット燃料、自動車等のエンジン燃料として既に利用されており、燃料電池の燃料でもある。火力ガスとしてもそのまま利用が可能で、化石燃料のほとんどについて代替可能と考えられる。
 但し、現在の技術では取扱に難あり、かなりかさばる。炭化水素の状態ではコンパクトにまとまっているのであるから、炭素構造の中に電気的性質を弱めた水素を滑り込ませ、またそこから水素だけ取り出すようなことができないか等、さらなる技術開発の必要がある。

 黒潮の安定流路に直近の日向市は、神武東征の出発点として知られており、これを起点とすれば象徴的意味を持たせることができる。

 海流発電の装置を制作するときのエネルギー・火力を全てこの電気・水素燃料で賄えれば、このエネルギー体系において二酸化炭素は全く発生しない。
 海底送電線は、既に実用化されている。
 海流発電については弘前大学で研究されている。
 三菱重工長崎造船所は風力発電機の生産も行っており、海流発電に必要な技術を潜在的には有していると思われる。


 ※技術的検討「21世紀への提言」http://www5b.biglobe.ne.jp/~hideokun/index.html
  黒潮情報 
   気象庁 日別海流   http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/kaikyo/daily/current_jp.html
   海上保安庁 海洋速報 http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/KAIYO/qboc/index.html



●微生物生態系を基盤にした自己循環型の農林漁業

 エネルギー問題を解決できたとしても、温暖化による異常気象が直ちに収まるとは思われず、世界の人口増加、水資源の不足はなお深刻化し、食糧事情は悪化すると予想される。 
 動力燃料のみならず、肥料・農薬・農業資材の資源を外部に依存している現在の農業には、本質的な自給力は全くないと考えるべきであり、来るべき食糧危機に対応できない。

 微生物は、動物 また植物よりも古くから地球上に存在してきた生物であり、そのことは、微生物こそが無機的環境から生体に必要な栄養分を取り出せることを意味する。
 耕し、直射日光に晒すことによって微生物生態系を破壊し、単一作物だけを栽培する既存の農法では、災害にも弱く、場合によって作物は、壊滅的打撃を受ける恐れもある。

 外部からの資源がなくても成立する自然本来の姿を理想として、微生物生態系により無機物を有機肥料に変換する、自己完結型の第一次産業の育成を目指す(この際目指すのは、還元(抗酸化)・発酵型であり、酸化・腐敗型ではないことに注意する)。
 また、自然のリズムを最大限活用するため旧暦を見直し活用を図る。


○農業
 生態系の安定性・厚みを増すことにより、膨大な微生物による発酵土壌の力で、抗酸化酵素活性が高く健康に資する、高品質な作物の安定生産を目指す。 この際、雑草の残滓は発酵のための重要な要素であり、雑草を防除するのではなくて、雑草と作物を組み合わせ、周辺の環境も雑草によって整えることを目標にする。 イワダレソウ(法面・畦畔を安定させる)・ナギナタガヤ(敷藁状に被覆)等の雑草を中心に、作物と共存できないか、グランドカバープランツの研究を急ぐ。
 雑草があることにより多様な昆虫が生息すれば、食虫生物も増加し、害虫の発生を抑制できる。

 人間活動を生態系の一部として機能させるために、排泄物・廃棄物の再循環(バイオガス プラント等)を促進する。 排泄物の処理(無害化・肥料化)に必要なのは、
充分な発酵過程を保証する空間と時間だけであり、大きなタンクがあればよいだけである。
 発酵により生じるメタンガスは二酸化炭素より強力な温暖化ガスであるので、つかまえて燃焼させたい。この際火力ガスとして、または発電用に利用する事が望ましい。

   
 水田について、水場の発酵型生態系として安定させるため、冬期湛水・不耕起・無農薬・無肥料の農法を基本とし、日本不耕起栽培普及会の栽培技術を学び、それぞれの現地に適合するように研究・普及させる。
 冬期湛水の水田には大型鳥類が飛来するなど、魅力的な生態系が蘇ることが知られている。食材そのものの新たな魅力とともに、観光にも寄与することが期待できる。
       
 畑について、雑草を生かし、雨後にキノコが生えるほどの菌類による土壌発酵を基本とする「炭素循環農法」により、小耕起・無農薬・無肥料の農業技術を確立する。

 果樹については、青森県の木村秋則氏のりんご農園が一つの理想像である。 無農薬、無肥料でバランスを保てる環境・特に土壌中菌類の種類と量について分析し、一般化のためのデータを蓄積することが重要である。

 畜産は、ほとんど外国からの飼料に頼っているので、食糧・エネルギー問題が悪化し飼料作物の価格が上昇すれば、壊滅的打撃を受ける恐れがある。 家畜の排泄物による有機肥料も入手困難になり、有機農業も成り立たなくなる。
 これを避けるために、畑・果樹園と森林との境界域において、自然に得られる餌によって育てる小規模な畜産を奨励すべきである。 高品質少量生産により、むしろ希少価値を高めることができる。


 ※バイオガスプラント「野風舎」 http://www6.ocn.ne.jp/~kamui/page008.html
  日本不耕起栽培普及会 http://www.geocities.jp/fukoukisaibai/info.html
  炭素循環農法 http://www.stkm.net/tenuki/index.html
  木村秋則 http://www.sun-act.com/kimura/
  ナギナタガヤ(岡野農園) http://www.mikanen.com/nagi.html
  イワダレソウ(株グリーンプロデュース)http://www.greenproduce.co.jp/links/faq.htm


○林業
 災害予防・国土保全・国民の生命財産を守るという観点から、陸上自衛隊による大規模な間伐、害獣駆除を行う。これによって林業のコストを下げる。
 間伐後は複合(混合)林化を進め、健全な林地を育むことによって安定した林業を成立させる。
 旧暦の活用においては、「新月の木」について特にデータを収集し高級材の生産に役立てる。

 土壌がむき出しであれば、風化・浸食が激しく、災害における被害を増幅してしまう。

これを防止するためグランドカバープランツの研究・活用がここでも重要である。特にイワダレソウの可能性に注目したい。


 ※複合林(速水林業) http://www.re-forest.com/hayami/env/gutairei.html
  新月の木 http://www.shingetsuno-ki.jp/main-index.html


○漁業
 農林業の取り組みにより陸上生態系の厚みが増せば、内水面漁業はもちろん、海洋生態系にとっても好材料となるので、漁業全体の助けになるはずである。

 海流発電が実現できれば、水素燃料による漁船運用のコストダウンのみならず、発電電力を直接用い、海底付近に蓄積している栄養分を汲み上げて、その養分による人工的生態系での養殖技術も開発したい。
 畜産による肉製品は、人口増加による穀類不足つまり飼料不足から、今後は大量生産が難しくなる。このため、深海中の養分をいかに活用できるかは大きな課題である。 プランクトン・海草から、可能ならば鯨類の養殖にも挑戦するべき。



●「基礎学力」の正しい定義と教育

 「学ぶ」ということは「すでに誰かが整理した考え(他人の考え)を自分の中で正確に再現する」ことである。その際に自分の恣意的な意見・思いが混じれば、それによりその対象が変形してしまうので正しく理解することは出来ない。つまり正しく学ぶためには、そのときには「自分の意見を外して」いなければならない。
 「基礎学力」とは従って、同時通訳者のように「自分を外して他人の話を聞き取る力」つまり「思い込みを無くして自然をありのままに観察する態度」であると定義し、その習得を教育の基本的目標とする。

 このため、通訳者に教育現場で直接協力を仰ぎ、また、「つくば言語技術教育研究所」の教授法を取り入れる。
 教科としては国語が全ての基本であり、とりあえず現場では、読書感想文ではなく、読書内容整理文を書かせるなどの取り組みを進める。


 一方で、動物にとって「脳」とは本来的に身体を制御するための情報処理装置である。つまり、人間以前の動物として、体育が本質的には最も重要だと考えることができる。 脳を適正に発育させるために、体育による身体操法の巧妙化を重視する。
 身体操法のパターンは必然的に思考パターンに影響すると思われるので、本来の日本人として相応しいナンバ的身体操法(着物での必然的動作法)を基本にしたい。


 理科・数学については、その事項の意味が教える側も十分に理解できていないように思われるので、教員のために、教えるべき事項の意味を整理しなおす。

 例えば、「かけ算」というのは異なる単位・つまり種類の違う数が組合わさって、新しい単位の数になる(単位同士が組み合わさる)ということである。 このため「マイナスのかけ算」を具体的にイメージするためには、異なる(しかも組み合わさる)二種類のマイナスの数をまずイメージできなければならない。
 したがってもっとも単純には「マイナスのかけ算がプラスになる」というのは、「借金を踏み倒したら丸儲け」という意味であるが、このような説明が教育現場でなされている形跡はない。


 物理等の思考実験において、ほとんどの人は無意識に自分の感覚を持ちこんでしまう。 そのことを自覚して、その「自分の感覚」を意識的に外すことができなければ、そもそも思考実験を組み立てることが出来ない。

 例えば、「走る電車の中でジャンプしたときに、着地点がずれないのはなぜか。」という問題に対して、いきなり慣性の法則を持ち出しても、「位置がずれるはず」と思っている感覚について説明が付かないので、納得することが出来ない。
 この問題の要は、「ずれるはず」だと思う原因が、自分の感覚を元に、ジャンプが垂直飛びだという前提に立っていることにある。 実際には、「(助走電車代行)走り幅跳び」であるので、ジャンプ中に自分も前方に移動する、このために位置がずれないのである。 しかし、助走しているのが自分の足ではないため、自分の感覚としては、走り幅跳びだと知覚できていない訳である。

 自分の感覚を超えた現象の思考実験に、生の感覚をそのまま持ち込めば必ず間違えるのであり、自分の感覚を意識的に外して組み直し、後からその整合性を確認し直すという態度こそ、教えられなければならない。


 社会、特に歴史教育において、特定の事項に複数の見解がある場合には、それぞれの見解をその根拠も含めて並行して教える。 特に、戦争・領土問題については、異なる立場の意見、その視点の違いを理解することこそが重要である。


 外国語について、低学年から教えることはするべきではない。国語以上に外国語に堪能になることはあり得ない。基本0Sとしての国語をこそ重視すべきである。
 ただし、センサーの感度は上げておかなければならない、つまり、音を聞き分けること・発音し分けることを、体育・音楽の一環として丁寧に行うべきである。


 あらゆる教科について、外国の教科書を翻訳したものを参考に出来るようにする。他国の英文教科書の翻訳を、授業で行うことも検討する。


 自分の考え・感覚を外して他人の話を聞き 対象を観察し、同時に複数の視点に並行して立てる人間を育てることができれば、いじめ問題などは初めから成立しなくなるであろう。 いじめは自分を守るための行為であり、自分を突き放せないものの為すところだからである。
 「自分を外す」と云ってもそれを行うのも自分である。これは、「普段の自分を沈黙させる」ことによって、より本当の自分を立ち上がらせるということであり、普遍性により近づけるはずである。 亡くなられた池田晶子氏の哲学的思考法について、ぜひ触れさせたい。


 教育現場の問題として、教師が忙しすぎるという状態を改善しなければならない。単純に少人数学級にするということではなく、以下のような役割分担を徹底。

 ・教材費・給食費などの集金・支払については、事務員が対応。
 ・家庭でのしつけ等の相談については、児童相談所などと連携して、専門の職員が担当。
 ・遠足などの行事については、PTA・子供会で企画実行。
 ・場合によっては、テストの実施・採点作業を外部に委託。

 このようにして、教師はまず自ら、教科の内容について常に高度な理解を更新し続けながら、確実に生徒に伝える。 また、少しでも多くの時間を生徒と共に過ごす。

 学校に出来ることと、出来ないことをはっきり区別し、その意味でも役割のあり方を整理することが必要である。


  ※つくば言語技術教育研究所 http://members.jcom.home.ne.jp/lait/index.htm
   ナンバ的身体操法 古武術「松聲館」 http://www.shouseikan.com/



●個人用ビーグルによる中心市街地の活性化と安全な交通(特に宮崎市)

 セグウェイ・電動キックボード・電動スクーター等の個人用ビーグルの通行を中心に考えた道路形態の変更(アーケード部・高架下・河川敷・海岸沿い等)を行い、まず、レンタルのビーグルを導入する。
 トヨタのパーソナルモビリティ「i-Swing」の実用化、導入ができないか期待したい。



 ビーグル自体の珍しさと、歩くには広い範囲を気軽に移動できることにより、観光浮揚と高齢者等の利便性向上に寄与、市街地を活性化できる。
 ビーグルごと乗り込めるバスを開発・導入できれば、過疎地での利便性も向上でき、バス利用増も期待できる。
 結果的に、自動車の通行量を減らして、自動車事故を減らせる。

 導入に際しては、盗難防止、またビーグル道路以外の場所を通行させないようにすることの徹底が課題となろう。 位置情報技術の応用が必要となるだろう。


 ビーグルは小型で軽いので、ケーブルにつり下げることも可能と考えられる。 将来は舗装道路ではなく、山の位置エネルギーを利用したケーブルロードによって 中山間地と都市部を直線的に滑り降りる新交通システムも検討したい。
 生態系に対する影響も、移動に必要なエネルギーもそのほうが少なくてすみ、運転手の疲労も回避できる。
 (カーボンナノチューブ等、炭素結晶の新素材によるケーブルによって強度と耐久性を飛躍的に高められるのではないか)



●県庁の西都市への移転と公務員の兼業化・週半勤務形態(勤務のあり方)

 地理的中心地である西都市に県庁を設置することにより以下を実現する。

  ・災害等への安定した、また迅速な対応。
   (現在の県庁所在地、中核都市である宮崎市と共倒れを防ぐ)
  ・県央広範囲を通勤圏とすることによる県域全体の浮揚。
  ・南九州大移転に伴う児湯地区のデメリットの緩和。
  ・新田原基地問題について当事者の立場を共有。

   
 同時に県職員のワークシェアリング(週半勤務・兼業形態)を選択肢として導入し、職員が直接、一住民として地域を支えながら、現場の問題を吸い上げることが出来るようにする。
 週半勤務形態とは、週三日出勤で給料半分、 必然的に同一業務を担当する者が複数名になることを想定。これによって以下の状況を創り出す。

  ・兼業を可能にすることにより親の仕事を継ぐことが容易になる。
   地方の農業、商店、地域活動等に同時に従事できるようになり、地域の厚みをだせる。 
  ・個人の経験の幅が広がることで、視野の硬直化を防ぐ。
  ・女性職員が結婚・出産・子育てなどに際し、キャリアを中断せずに対応しやすくなる。
  ・通常勤務の者についても、週半勤務形態に合わせ複数の仕事を担当させれば、
   有能な職員の能力をより広い範囲で生かせる。(つまり、週の前・後半で違う仕事を担当)
  ・業務の担当者が必ず複数人となることにより、常に仕事内容の整理が必要とされ、

   担当相互のチェックによる業務の適正化、担当者の能力の把握、
   緊急時の応援確保が容易となる。
  ・担当者の人事について同時移動を避ければ、引継時に業務効率の低下を相当防げる。

 あらゆる業務の公務員についてこの勤務形態の導入を進めるとともに、民間企業にも、導入を促す。
 民間で導入が進めば、生活の基盤が二本立てになることで転職が容易になり、就業条件の改善への圧力にもなる。


 加えて、引継書をデータベース化し、許認可等の処理件数など仕事の実績も合わせて原則公開とする。 これにより実務を一般に公開して内容をチェックしてもらうとともに、担当者の交代をスムーズにする。業務の量・配分が適正であるか特に注意したい。


 公務員に求められる資質は、やはりまず状況把握力であり、人の話を聞く力が肝腎である。 ここでも、同時通訳者を専門家として招き、「自分の意見を沈黙させて、人の話を聞く」という態度を養成する。 採用及び昇進に関して「聞く力」を重要な要素として考慮する。



●余裕ある医療 患者を減らす・データを立体的に活用する

 人口が減少に転じたということは、現在の日本の人口が史上最大だということである。さらに高齢化が進んでいるのであるから、日本における患者数も、今、最も多くなっていると考えられる。 その中で医療技術の進歩により、治療可能性が拡大しているのであれば、医療従事者にかかる負担は、いよいよ増大してしまう。
 これを放置すれば、従事者の疲労による医療ミスを多数誘発してしまうことが予想される。 それでは本末転倒であり、医療従事者の勤務が過重にならないようにすることが当面の課題である。
 週半勤務形態をここでも導入したいところであるが、医療関係者の勤務シフトは既に一般のものとは大きく変容している。 責任の範囲を明確にして、対応できないものは対応しないと、
割り切ることも必要かも知れない。
 保婦師・助産師などにより、医師の業務を部分的に分担・補佐する体制を強化するとともに、あらゆる手段を講じて、患者数を減らさなければならない。


 症状から考えられる疾病、それに対応できる病院など、医療情報を総合的にデータベース化し、公開する。また、それを元に一般の相談を受け付ける窓口を設置する。
 窓口担当には、既存の保健師、医師(専門以外の病気の再確認に、また、子育て中の女医など勤務時間に余裕がほしい者にも適)の他に、元患者・患者家族にも参加してもらう。
 難病など、症例の少ない疾病については、医師であっても専門外の者には診断できず、患者は往々にして、いくつもの病院を訪ね回ることを余儀なくされてきた。データベースを活用することにより、どんな病気が疑われるか可能性を絞り込み、適切な病院を受診できるようにする。
 患者と病院の交通整理がうまくできれば、述べ患者数はある程度減少が見込める。

 民間療法も含め、あらゆる医療技術・製品の効果について科学的な検証を加えた上で情報を整理、データベースに加え治療法を客観的に検討できるようにする。 心理的ケアについても連続して照会できるように、また患者団体とも連動したい。

 電子カルテの導入を進め、そのデータから、ある病気・ある薬を使っている人の、他の病気の罹患率を調査。一般との有意の差のあるものを見つけだし、治療に役立てる。 
 旧暦等 各種の暦また気象状況と、病気・事故・出産等の発生リズムを比較し、生体リズムの細かな変動を予測、医療機関がそれに対応した勤務シフトをとれるようにする。


 さて、現在、ほとんどの病気の直接的な原因は活性酸素だと考えられている。
 高等動物の生体活動に必要不可欠な酸素は、その強烈な反応性のためそもそも生体には猛毒である。 火・錆として知られる酸素の酸化力は、放置すれば生体を破壊する。しかも、生体内での作用によって電気的にさらに不安定な活性酸素が必然的に発生してしまう。
 この活性酸素は一方で、細菌などの外敵に対して免疫システムが攻撃を加える際に生成され、その酸化力によって外敵の活性を奪うのであるが、その凶器としての性質は、常に自らの生体組織を傷つける危険をはらんでいる。

 したがって健康を保つということは、この活性酸素をいかに適切に管理し、封じ込めるかということだとも理解できる。 この働きを担っているのは、SOD(スーパー オキサイド
ディスムターゼ=活性酸素を変性沈静化する酵素)と名付けられた抗酸化酵素グループであり、ビタミン類などの抗酸化物質である。 自前のSODが間に合わなくなると病気になるともいえ
る。
 このため、外部からこのSODを補完できないかという考えから、土佐清水病院の丹羽博士がSOD様食品を開発されている。穀物を遠赤外線焙煎・発酵・油剤化したもので、抗酸化酵素の活性を保ったまま消化吸収、細胞内部に到達させるために、その過程が必要だとの説明である。
 消化されても活性を保つということは、初めから分解・変性されないほど小さい(低分子)ということだろう。発酵過程があるのは、原始的生物である菌類の酵素は、より低分子で普遍性があり、活性を保ちやすいためと考えられる。

 つまり、発酵食品は抗酸化酵素の活性、その消化後の残存量について高い値を示すと思われ、健康に寄与することを数値として表現できるのではないか。発酵食品について情報を収集し、実際にその酵素活性を確認したい。 味噌汁が特に重要と思われるが主食(玄米)を発酵させた酵素玄米というものもある。
 さらに作物の健康状態ということを考えれば、これはそのまま発酵型生態系農法の産物が抗酸化力が強く状態が良いということになるのではないか。農地の土壌発酵状態にも注意したい。

 焙煎・油剤化の話から、調理法によっても抗酸化力に違いが生じると考えられ、その違いによるデータも整理し、望ましい調理法を探る。
 おそらく、古くからの調理法には一定の意味があるものと思われ、そのエッセンスを保存したまま、現在の調理器具で再現するような試みが必要となるだろう。 器具の改造も視野に入れておきたい。

 発酵土壌の農産物、またその適切に調理された食事によって、抗酸化力を向上させ健康を維持・回復できれば、患者の発生数自体を減らすことができるかもしれない。


 病気にならないための身体操法、無理のない身体の使い方について、ナンバ的技法等、研究を進め広める必要がある。 既に一般に展開され始めている古武術式介護術について注目し、現場への導入を働きかけるべきである。


 低レベル放射線は、健康増進に良いという説があり、これについてのデータをさらに収集し、放射線量・種類等について最適な条件を割り出す。 原子力発電に付随して発生する低レベル放射性廃棄物をその条件に調整して、建材や家具の中に組み入れ、病気の発生を少しでも抑制する。


 個人用ビーグルによる交通システムによって、交通事故が軽減すれば、救急対応については減少が見込めるだろう。


 ※SOD様食品  http://www.sod-japan.com/
  放射線の微量被爆 http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wajima/sub030117kondo.htm



●法と科学による裁判

  現在の裁判制度においては、事実関係の争いと法的責任に関する争いが混在してしまっている。この両者に必要な専門性は全く別物のはずであり、法律の専門家が事実関係を評価することにそもそも無理がある。

 ・証拠が規定する可能性の範囲を可能性のまま組み上げること
 ・より真実に近い証言を引き出すための心理学的・脳科学的に洗練された尋問手法
 ・証言時の声・身体状況から、その証言の信憑性を見極めること

以上のような、自然科学的な手法・分析によって事実関係を再構成する過程を、司法制度の中に新たな柱としてうち立てるべきである。
 現在導入が決まっている裁判員制度では、責任が不明確になるだけではないか。

 事実関係に関する専門家の養成こそが必要である。警察の鑑識なども含めて、最先端科学技術を最大限活用し、より間違いのない事実認定を行うのでなければ、公正な裁判は望めない。
 特に事故については、スーパーコンピューターによるシュミレーション技術によって、物理的にあり得る範囲についての、そうとう蓋然性の高い解析が出来るはずである。 


 一方で、判事、及び検事の殆どは主権者たる国民による何らのチェックも受けていない。国家の三権の一つとして存分に機能するためには、明らかな間違いを犯した場合など、国民に対して責任を明確にする仕組みが必要と考える。
 また、下級審において、控訴・上告されるということは、その裁判が不完全なものであったことに他ならない。そのことが一定程度、判事・検事の評価に還元されるべきである。透明性を持った評価システムが構築されなければならない。


 将来の検討課題として、人気時代劇、大岡越前の三方一両損のように、争いを解決しやすい状況を、裁判所が能動的に創り出すことが出来ないかということも考えたい。



●論文による選挙

 国会の役割はまず第一に法律を制定することにあり、その法律の実体は文章である。

 通常、文章を作成する仕事に就くものは、その文章力によって選ばれるものであるが、国家の基幹文章である法律の作成・制定を行うはずの国会議員は、何らその文章力を確認されていない。
 むろん、国会には予算の承認など、行政を直接チェックすることも求められており、衆議院は解散総選挙によって状況変化に直ちに対応することが期待されている。 そうであれば、参議院は逆にじっくり法律を練り上げるべきであり、参議院議員は、その文章力によって選ばれるべきである。

 文章の内容、その表現力をそのまま判断するために、その人物の名前、顔写真などは一切非公開で、論文のみを審査し投票する覆面論文選挙を検討するべきである。
 当然一切の選挙活動も禁止、これにより費用のかからない選挙が可能になる。

 もし道州制が導入された場合に、首長を直接選挙で選出するのであれば、これも、覆面論文選挙とするべきと考える。現在の選挙方法によれば、多大の選挙費用が予想され、立候補者が自ずと限られてしまうと考えられる。



●自衛隊と警察

 自衛隊は、首都・政府を守るのではなく、国土と国民の生命・財産を守るべきである。

つまり、あらゆる災厄から地域社会を守るものであるべきで、そのためには特に陸上自衛隊は、県(地方)の組織として位置づけるのが合理的である。 これによって、国の戦力であることを免れるので、憲法上の問題も解消できる。 各地域に細かく配置し消防と連携して、防災・災害救助能力を強化したい。
  「林業」で提案したが、国土保全のため大規模な間伐=防災活動を主任務に加える。 退官後林業作業員としての再就職も考えられる。


 航空・海上自衛隊は、海上保安庁と統合し国境警察として整理する。
 国際犯罪に対抗するため、警察も国の統一組織として国境警察と連携、国際的な組織の一部として機能できるようにすることを視野に入れるべきである。
 高度な科学的捜査能力を備え、常に進化させ続けることが重要である。

 国際協力の一環として海外で活動する場合には、作業員として、また警察能力の応援としておこなうべきで、軍隊と見間違うような服装はさせるべきではない。
 国際紛争の解決に一定の役割を果たすことを考えるのであれば、相互の平行理解を取り持つ通訳的役割、また、状況を正しく評価する鑑識官的役割を、科学技術力・情報技術を背景として担ってゆけばよい。



●環境問題の解決、世界平和へむけて

 黒潮による海流発電はその地理的条件から、台湾と協力して中国のエネルギー需要を賄うことが可能と思われる。また地球温暖化を阻止するためには、是が非でも導入を進めなければならない。 これによって中国の近代化を助け、東アジアの安定を図る。
 北海道周辺の海峡部において発電できれば、ロシアに対しても働きかけることができるだろう。
 黒潮と並ぶ北大西洋海流は、アメリカ東海岸からヨーロッパにかけて流れており、これを海流発電のもう一つの柱とし、石油メジャーの参加も促して開発を進めれば、欧米のエネルギー需要にも対応でき、反発を抑えられるのではないか。

 石油は、海流発電が一般化した後は、燃料としてではなく、既存のプラスチックに加え、新たな炭素系構造材(金属代替・新素材)原料としての価値が高まると考えられる。またそうでなければ金属資源の枯渇によって世界経済は混乱してしまう。
 石油産出国には、エネルギー需要に対応する必要が無くなる分資源の寿命が延びるので、本質的な不利益はないと説明できる。この際、やはり、リサイクルの効率を高めて、炭酸ガスの排出を抑えなければならない。

 島嶼国家に対して海流発電を援助し、そのエネルギーで深海水汲み上げによる養殖漁業と海底鉱物資源を開発。その国自らの力で海面上昇に対処できるようになることが望ましい。
 世界の沿岸部の都市に必要な水は、特に深夜電力により海水を淡水化して利用し、内陸部の水資源は農業に回すことを基本に考えるべきだろう。


 原子力発電は、未来にわたる高レベル放射性廃棄物の保管コスト・重大事故による損害を考慮に入れていない。海流発電を実用化できればエネルギー源としての必要性はなくなる。逆に海流発電が実現しなかった場合には、石油を初めあらゆる資源の供給が滞り物価は高騰、社会不安が増大する中で、安全な運転の継続など望むべくもない。
 いずれにしても廃止するべきで、その際、放射性廃棄物はあくまで国家が責任を持ち、国会議事堂・中央省庁の地下深くで保管する。そのことを考慮して、首都機能移転先を決定し、すみやかに移転させる。 将来の最終的・完全な処分方法としては、地球中心核へ向けて落とし込めないか、マントル対流の中に入れ込めれば、比重によって沈んでゆくのではないか。技術開発に期待したい。


 海流発電によって安価で無尽蔵なエネルギーが保証されれば、現在の国際紛争のほとんどについて、改善の可能性があると思われるが、むろんそれだけでは不十分である。

 エネルギー問題・地球温暖化を解決できたとしても、地球上で人類が利用できる資源、金属等は依然として有限であって、人間活動が拡大し続ければ、供給が間に合わなくなってしまう。これは新たな紛争の火種になりかねない。 資本主義の拡大成長経済の下では、いずれ社会は必ず破綻する。環境問題を最終的に解決するには、人口の増加をくい止めた上で、定常経済に移行する事が必要である。

 人口の増加をくい止めるには、社会の近代化による生活環境・個人の意識の変化が有効だと思われるが、そのためには、世界全体の経済成長が必要になってしまう。 豊かな社会を実現しながら、資源の消費拡大を抑えるには、関税の仕組みを組み替えて、貿易品そのものの価値が何れによっても正当に評価されるようにしなければならない。

 つまり、特に木材・食料等は、その本来的な価値を推し量り反映させるため 関税収入分を相手国に還元することにした上で、割合ではなく、一定の値段になるように差額分を徴収。結果的に初めから高い価格で入ってくるように誘導し、貿易量は減っても相手国の収入は減らないようにする。 それは同時に、相手国国内でその物品の供給量が減らないように、資源が減らないように誘導できなければならない。これによって、貿易額が増大しても、貿易量は減少させたい。

 物品の価値とは何かということが、やはり問題の本質である。金本位制の廃止以来、貨幣価値は実際の物品と直接の関係を失って、漂流してしまっている。 江戸時代の生活様式は、環境に調和していたとよく言われるが、この時代の通貨は希少金属と米の権利証であり、基本的に物々交換の延長であった。したがってただ「お金」ではなく「物」を大事にする態度が必然的に養われたと考えられる。
 将来の通貨についても、最終的には物の価値、品物のエネルギー的な価値がそのまま金額に表現されるような通貨システムが構築されるべきだろう。 スーパーコンピューターで、あらゆる製品について、資源が取り出され、加工、運搬、管理の結果買い手に渡るまでのエネルギー変化を全てシュミレートできないか、エントロピー学会による循環経済、エントロピー経済学の進展を促す。
 とりあえず、地域通貨の試みを進めつつ、自然と調和した実体を映す通貨システムを模索する。現行通貨は、貿易及びソフト的なものに徐々に絞っていくのが良いのではないか。


 世界平和のためには、「自分が正しいとは限らない、間違っているかもしれない」という考え方を全ての人が常に基本に持つことが必要だろう。 他者を理解するためには、自分をいったん沈黙させることができなければならない。同時通訳者的な態度を、どれだけの人が身につけられるかが重要な要素である。
 そして、必要な物だけを消費する、しんと締まった社会を実現しなければ、人類は、地球に収まりきれなくなる。

 最終的には、世界人口を減少させなければならないのであるが、それは、世界中で少子高齢化社会に直面するということでもある。 現在、少子高齢化社会に直面している日本が、食事や身体操法の取り組みによる病気の抑制、ロボット技術や医療技術の向上による要介助者の抑制、労働力の適切な配置、そして締まった社会の実現により、不都合なく見事に人口を減らしてみせなければならない。それが日本の責務だろう。


 ※エントロピー学会 http://entropy.ac/




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