[BlueSky:06628] Re: 七夕そし て七周年


[From] Kimio Otsuka [Date] Tue, 18 Jul 2006 22:40:54 +0900

大塚です。

今日の東京は雨で、気温も下がりました。

中澤さん(Re: [BlueSky:06620]):
>大塚さん:
>>  さて、七夕ってこんなに蒸し暑かったっけ、と思って、気象庁の統計ページを
>> 見てみました。
>> http://www.data.kishou.go.jp/mdrr/smp/jp/index.html
>このデータは面白いですね。
>場所とデータの種類を選んで表を出して,範囲を選んでコピーしておいて,
>R (http://www.r-project.org)で
>
>dat <- read.delim("clipboard")
>names(dat) <- c("YEAR","JAN","FEB","MAR","APR","MAY","JUN",
>"JUL","AUG","SEP","OCT","NOV","DEC","TOTAL")
>plot(dat$TOTAL ~ dat$YEAR)
>res <- lm(dat$TOTAL ~ dat$YEAR)
>abline(res)
>summary(res)
>
>とやったら,長野でも統計的に有意な上昇傾向があることがわかりました。
>

なるほど(R はわかっていませんが)、長野でも有意な傾向がでますか。

さて、

>>  最近の温暖化が温室効果ガスによるものか否かについてもずいぶんわかってき
>> たようです。この件についてはまた後の便で。
>楽しみに待っています。
>ではまた。

の件ですが、
 人類が排出する二酸化炭素などの温暖化ガスのために地球温暖化が進む
 (進んでいる)
という考えに対する反論としては、

1.温暖化のように見えるが短期的な変動に過ぎず、長期的なトレンドではない

2.近年は気温が上昇しているが、太陽の活動などの物理的な要因のためで、
  温暖化ガスのためではない

といったものがあります。

1.については、かなり急速な温暖化が進行中であることが方々で気温が上昇傾
向にあるというデータが出され、氷河の縮小があちこちから報告されています。
つい先日ヨーロッパアルプスのアイガーで起こった、岩盤の崩落も氷河が融けて
いっていることと関連があるようですね。
 また、鳥類や昆虫の分布が極の方へ移動しているという大がかりなデータも出
てきました。それと関連して生物の多様性が低下しているといった報告もありま
す。
 従って近年、全地球的に見て温暖化が進行しつつあることへの異論は無くなっ
てきていると思います。
 
2.について。シミュレーションのモデルの進歩やコンピュータの発展によって
実際のデータとの突き合わせ(検証)が可能な水準になってきたと感じます。
 先日 NHK でやっていた「気候大異変」では、地球シミュレータの計算で南米
沖の大西洋に熱帯低気圧が発生するという結果が出たことを触れていました。こ
の海域ではこれまで熱帯低気圧が観測されたことがなかったので、「変な結果」
と考えられていたのですが、その直後にこの海域で初の熱帯低気圧が観測されま
した。
 また、モデルに算入する条件から人為的な影響や物理的な影響を加えたり加え
なかったりして計算したところ、両方を加えたモデルが一番実際のデータとよく
合っていて、それによると、近年の温暖化は専ら人為的な影響によるものだそう
です。
 (私がこのことを知ったのは以下のサイトからです)
  環境を考える経済人の会 21 2005 年度第7回朝食会 (2006年1月)
  「温室効果ガスの大幅削減はなぜ必要か−科学の立場から」
  http://www.zeroemission.co.jp/B-LIFE/MORNING/
  演者: 国立環境研究所理事 西岡秀三氏

 西岡さんは既にある程度の温暖化は避けられないので、今後はある程度温暖化
に対する対応と、温暖化が破滅的な結果をもたらすレベルにならないための対策
が必要であると述べています。

 海水の大循環が止まってえらいことになるかもしれない、と怖いことも書いて
あります。一読をおすすめします。

--
大塚公雄


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