[BlueSky:06622] Re: 今日は7 周年記念日で す


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Wed, 12 Jul 2006 21:20:16 +0900

こんにちは、葛貫です。
もう、7周年になるんですね。

このMLが開設されたとき、ランドセル背負ってフラフラ歩いていた
小学校1年生だった子供が、もう私と背丈が変わらない中学2年生に
なってしまいました。小中学校での環境問題の取り扱い方も、公害
等、加害者と被害者がわかりやすい話から、被害者であり受益者で
もあるような話へと中心がうつってきたように感じられます。
7年という時間が流れたんだな、と改めて思いました。


中澤さんwrote:
> 授業と観察の違いなのか,高校生と小学生の違いなのか
> 興味深いところです。

今年度、高校の心理学の授業を聴講をしています。
今日は、幼稚園での実習でした。高校生が、日常まず接することが
ないであろう3歳児にどう付き合っていくのかな、と思っていたの
ですが、一見とっつきにくそうな男子生徒も幼児に懐かれて、今ま
で知らなかった自分の一面を発見した子が多かったようで、実習の
後の感想、結構、盛り上がっていました。もっと話を聞きたい、話
をしたい、もう終っちゃうの?、次週が楽しみ、という感じで終る
ことが多い授業で、生徒の関心を引き出し、リラックスして発言で
きる場を作り、仕切っていくのが上手な先生だなと感心しています。
理科等も、新しい切り口で今までとはまた違う世界が見えてきて、
ワクワクできるものなのに、暗記物的な扱いになってしまうなんて、
もったいないですね。得られた知識の羅列だけではなく、どう感じ
たか、何を思ったか等、感想もふともらせるような雰囲気があれば、
もう少し柔らかく、活気のある場になっていくのかな、と高校の授
業に受けながら思っています。

> エコツーリズムといえば,長野大学に「環境ツーリズム
> 学部」というのが来年できる予定だそうですが,どういう
> カリキュラムを作るのか,またどんな学生が受験するのか
> 興味津々です。今年の4月から生態学者の佐藤哲さんが
> 東工大から移ってこられたのも,その布石ですかね。

先月、「地域環境学の構想〜楽しい環境保全をめざす学問〜」とい
うシンポジウムを聞きに行きました。
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/~yasutomi/ProjectY/posuta.pdf

そこで、佐藤哲さんの「地域環境学の構想〜環境問題の解決に貢献
する実践科学を求めて」というお話をうかがってきました。

うろ覚えなのですが、

特定の生物種の絶滅を防ぐことが重要なのではなく、問題はその速
度が速すぎ、生態系が荒廃することが大きな問題である。
原生自然は有無を言わさぬ価値があるわけではなく、多様な生物か
らなる生態系から得られるサービスが人間社会にとって重要だから、
人類社会の未来のために保護するのだ。

実効性のある資源管理のためには、その地域の環境と人間生活の関
係の象徴するイコンとなる種を見出し、地域に対する誇りと愛着を
呼び覚まし、地元のリーダーシップのもとに、有用な外来の制度を
受容していくとよいだろう。

科学者が社会的な役割を明瞭に意識し始め、情報収集、分析、発信
活動を通じて社会に内在する環境問題解決の糸口を探し、それを社
会と共有していくという新しい知識体系が生まれつつある。そのよ
うなアカデミズム社会の構築を目指す。

というようなことを仰っていました。
当初決めた厳格な管理を徹底させることに使命感を持つという感じ
ではなく、現地に入り、現地を知り、現実を踏まえた上で、苦しく
ない形で環境を保全する仕組みを作り出そうと、考えていらっしゃ
るようでした。

環境ツーリズム学部、どのようなアプローチをしていくのか、楽し
みですね。



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