神戸市の一ノ瀬と申します。横合いから失礼します。
小選挙区制の是非が話題になっていますが、選挙制度の善し悪しは、国民性と
のかねあいで変わってくる様に思われます。
国民が、変化を好み、政権交代に伴う政治的リスクに寛容である場合は、小選
挙区制は、定期的に政権が交代する二大政党制を生みだし、比較的好ましい結果
を与えると思います。
他方、日本のように、有権者のリスク許容度が低い国では、小選挙区制度は一
大政党制を生んでしまって、腐敗と停滞を招く危険性が大です。
加えて、日本の場合、政治的リテラシーがかなり低い人々の割合が小さくな
く、しかも政権のキャスティングボードを握る形になっています。
今回の総選挙では、この、政治的リテラシーの低い人々が自民党支持に回った
ため、自民党の極端な大勝になってしまいました。
でも、彼らは、”郵政民営化法案”の実態を、たとえ概要だけでも把握していた
のでしょうか?
実態は、民営化と言うよりは、官製財閥創出、とでも形容すべき、ロシア的ク
ローニーキャピタリズムの臭いがきつい法案なのですが、こういった批判の声
は、小選挙区制によって抹殺されてしまいました。
小選挙区制自体が悪だとは思いませんが、現在の日本の状況には、必ずしも
適っていないように思われます。
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