[BlueSky:06516] Re: 生き物と の出会い


[From] t-osugi@wec.or.jp [Date] Fri, 12 Aug 2005 15:51:34 +0900

大杉です。

葛貫さん[BlueSky:06507]
> 以前、小池環境省長官が環境省の専門家会合のオオクチバス特定外来生物
> 指定を先送りという決定を覆して、規制対象の第1次リストに加えたことも、
> 議論放棄→強行の例でしょうか。「議論する」という名目で、本質的な問題
> にはふれず、建設的でない時間稼ぎをしているような気がしないこともない
> のですが(^^;。

オオクチバスに関しては、議論放棄→強行の事例ではありません。
議論を尽くしても現時点では合意に至らなかったため、さらに調整を行った
上で、半年後に結論を出す、と言うことで「関係者間の合意を得ていた」にも
かかわらず、大臣がひっくり返したと言う話です。
学識者だけでなく、釣り団体も含めて議論する、というプロセスを得た上での
専門委員会の結論が尊重されないというのは、憂慮すべきだと思います。

これに関して、横浜国大の松田先生がブログで触れられています。

2005-04-01 外来種法問題
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20050401

ここで山本さんが書かれている「半年たっても有効な規制反対の根拠を出せ
なかった場合、釣り人側もあきらめて規制に協力する」という”合意が取れて
いた”という点は、僕も非常に重要だと思います。

にもかかわらず、この合意を反故にし、それまでの関係者間の合意の努力を
無駄にしてしまった。
それに対して、指定賛成派は、大臣を支持する声は多かったですが、支持で
きないと言う意見は、この山本さんや松田先生などごくごく少数です。
これは非常に残念なことです。
合意のプロセスは、もっと大事にするべきであり、賛成派の方々も「結果は
支持するが、大臣のやり方は支持できない」というような批判的な意見を出
されるべきであったろうと思います。

なお、特定外来生物の選定対象に関するパブリックコメントは、寄せられた
11万通以上のパブリックコメントのうち、指定に対して、オオクチバス(賛成:
12,150、反対:95,620)・コクチバス(賛成:8,660、反対:38,826)と圧倒的に
反対意見が多数でした。その他アライグマ(賛成:34、反対:34)などは、せい
ぜい数件〜数十件程度のコメント数に対し、ほとんどがバス関連のコメントで
占められています。

パブリックコメントの結果について(環境省)
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5871

オオクチバス規制に反対の声9万6千通 釣り業界が反発(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/news/TKY200504050259.html




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